10人での戦いになり、アディショナルタイムを含めて残り時間は10分。その次の一手はいただけなかった [リーグ22節 鹿島戦レビュー]
マリノスボールで始まったキックオフだった。それなのにショートパスをつないだ先でボールを受けたのはGKパク・イルギュ。大津祐樹からの最初のパスが後ろ方向になるのは仕方ないが、それからも皆が後ろへ下げていては話にならない。鹿島アントラーズの激しいプレッシャーを受けたのではなく、自分たちから消極的にボールを下げてしまった。
パクがつなぎのパスを選択したのは、マリノスのサッカーを貫くという観点で言えば当然。「長いボールを蹴ろうか考えたけど、最初のプレーでもあったし、それではチームのコンセプトからずれてしまう。『こいつらは蹴るんだ』と思われて、相手に勢いを与えてしまう可能性もあった」と述懐しており、チームの共通意識としても大きな問題はなかった。実際にティーラトンへのパスは強さもコースも悪くなかったし、受けた側がプレッシャーを回避できれば一転してマリノスのチャンスになったシーンである。
開始わずか20秒で手痛い先制パンチを食らっても、下を向かずに戦った姿勢は評価に値する。ただし受けに回っている鹿島の守備網を突破できたとは言い難い。最終局面での精度が少しずつ足りない。いつの間にか個に依存するサッカーになったマリノスは、その個がポテンシャルを発揮できなければ得点も勝ち点も奪えなくなってしまう。
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