サブメンバーの序列 -熊谷・奈良輪が光る・六反が充実- :十日町キャンプレポート 3日目 (藤井雅彦) -1,978文-
新潟県十日町キャンプは3日目を終えた。関東地方で天候が崩れたのと対照的に十日町は連続で快晴に恵まれている。それだけではなく、気温は連日の30℃オーバーである。涼しいどころか、一足先に真夏の暑さに見舞われている。
当たり前の話だが、真冬の2月に行われる宮崎キャンプは寒い。今年は比較的温暖だった印象だが、それでも上着は欠かせなかった。日本には四季があるため2月と6月で大きな差があるのは当然。ここで述べたいのは選手の仕上がり具合は2月のキャンプ時と大きく違うということだ。約1ヵ月のオフを経て真っ白な状態から体作りをする2月と違い、6月はすでに出来上がっているコンディションに“戻す”作業となる。年末年始の長期オフとは訳が違う。
そのためか、今回のキャンプでは多くの選手がコンディション良好に見える。「いまは調子が良い」と笑みをこぼした熊谷アンドリューを筆頭に、若手は5月下旬の韓国遠征で少なからず刺激を受けたようで、意欲的な姿勢が目立つ。一方でこのチームに在籍するベテランはただのベテランではない。それぞれが責任感と危機感を持ちながら、やるべきことをこなしている。先日も述べたように個々の高いモチベーションがキャンプの充実につながっている。
練習内容がマリノスタウンでのそれと大きく違っているわけではない。むしろ同じメニューがほとんどだ。キャンプ初日夜のミーティングで映像とともにいくつかの意識付けを行ったことを除き、普段のトレーニングと進行に大きな差はない。選手たちのモチベーションが普段の練習の効果を大きくする、といった観点が正しいだろう。
また、ゲーム形式の練習はほとんどない。明日以降に予定されている2つの練習試合も「90分のゲーム感覚を維持するため」(樋口靖洋監督)に組まれたもの。3日目を終えた段階でフルコートでの紅白戦は一度も実施していない。そもそもこのキャンプで選手のコンバートや大胆な戦術変更を期待するのは筋違いだ。比嘉祐介の左サイドハーフや喜田拓也のCBといった起用は、ポジションによって稼働できる選手の数が異なっている編成の問題でしかなく、彼らを本気でそのポジションで起用する狙いがあるわけではない。
するとポジション別の序列が見えにくい状況となる。もちろん4日目と最終日の練習試合ではレギュラーメンバーとサブメンバーに分ける可能性も十分あるが、少なくとも今日までは分からない。そこでレギュラーやサブといった概念を取り除いて、このキャンプで動きが目立つ選手を数人挙げたい。
まず最も好調が際立っているのは2年目の
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