「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「鹿島は勝ち癖がついている」(俊輔)「ずる賢さはウチにもある」(中町)+榎本・ファビオ・斎藤他 [ナビスコ準々決勝 直前インタビュー] -2,371文字-

【試合に向けて】
樋口 靖洋 監督

「中断期間に10日間オフを与えて、練習再開から今週末の鹿島戦まで2週間ちょっとしかなかった。だから十日町キャンプではフィジカルよりも実戦的な練習が多くなった。キャンプでは序盤戦を踏まえて、攻守両面でいくつかのポイントに絞って、トレーニングをみっちり積んだ。例えば攻撃ではサイドからの攻撃は機能していたけど、バイタルエリアを効果的に使えていなかった。そこにしっかりくさびのパスを打ち込んで、2人目だけでなく3人目が絡む攻撃をしたい。まだまだな部分はあるが意識付けはできたと思う。
今週は2連休明けになったけど変わらずコンディションは良い。キャンプで少しけがをしたファビオも戻ってきて、今週はフィールドプレーヤー全員がトレーニングできていた。ナビスコカップの2試合に関しては試合勘がどれだけ戻っているかがポイントになる。特に初戦の入り方には気をつけたい。フィジカルの部分はもう中断前の状態に戻っているから大丈夫だと思う。2試合トータルでしっかり勝ちきってタイトルを狙いたい。日程的なことで言うと、このナビスコカップ2試合とリーグ戦の4試合がある、ここからの約1ヵ月はとても大事になる。
やっぱり鹿島はゲーム巧者。リーグ戦での対戦はどっちつかずの試合だった。今回は180分で決着をつけるわけだけど、できれば最初のアウェイでのゲームで点を取って勝ち点を取りたい。仮に引き分けだとしても0-0と2-2では大きく違う。お互いにセットプレーから点を取れるチームなので、それはポイントになるだろう。あとは久しぶりの公式戦になるから最初の20分間が大事になる。鹿島は2トップがしっかり仕上げの部分をできるチーム。特に大迫はいろいろな点の取り方ができるので注意したい」

MF 25 中村 俊輔

「鹿島は勝ち癖がついている。自分たちの長所を出しつつ、相手の長所を出せない戦い方がうまい。それはトーナメントの勝ち方だと思う。特に相手の長所を出させないことに優れているから、この前のリーグ戦でもウチはなかなか良さを出せなかった。今度の試合でもお互いの良さを消し合うゲームになると思う。あとはオフ明けでどちらも自分たちの良さを出したくなる。それに対してしっかり我慢して守れるか。中途半端になってしまうとカウンターを食らう。あとは毎回言っているけどセットプレーが大事なゲーム」

 

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MF 8 中町 公祐

「トーナメントで鹿島と対戦できるのは楽しみ。リーグ戦だとのらりくらりとしたペースで引き分けという結果になりがちだけど、トーナメントであれば引き分けが2回続いても最後は必ず勝者と敗者に分かれる。ウチはベテランも多いし、鹿島のずる賢さはウチにも同等にあるもの。だから鹿島がトーナメントでたくさんのタイトルを獲っていることは気にならない。それに自分はトーナメントで鹿島と対戦したことがないので知らない。いまはチーム状態が良いし、自分自身のコンディションも良い。楽しみな試合になる」

GK 1 榎本 哲也

「鹿島とはリーグ戦での対戦でもセットプレーからのこぼれ球で得点が決まっている。力が拮抗していればいるほどセットプレーは重要になる。特に立ち上がりの時間帯の守備破棄をつけないと。ダヴィはこぼれ球を貪欲に狙ってきて、GKに向かって走り込んでくる。なるべく自分の正面でボールを処理して、こぼさないようにしたい。セーフティーを一番に考えてプレーしたい。中断前に痛かった箇所はもう問題ない。あとは試合に向けてキレを出していきたい」

MF 7 兵藤 慎剛

「強いチームに勝ってこその優勝でありタイトルだと思う。まずは前年度のチャンピオンである鹿島に勝って、次にリーグチャンピオンの広島と天皇杯王者の柏の勝者に勝つ。それで最後にトーナメントの逆側を勝ち上がってきた強いチームに勝って優勝できれば、だれもがマリノスを認めてくれる。だから自分としては良い場所に入ったな、と。もちろん鹿島は強い。トーナメントの勝ち方を知っている。それに対してウチは自分が入団してからはベスト4止まり。どうしてもそこに壁がある。でも一度打ち破れれば変わるはず」

DF 15 ファビオ

「けがについては問題ない。今週はトレーニングをしっかりこなすことができたし、痛みはない。いまは不安もないので、試合まで痛みが出ないことを祈っている。鹿島は強いチームという印象がある。鹿島ではこれまで多くのブラジル人選手がプレーしていたので、母国でも有名なチームの一つ。そういう強いチームに勝てれば自信になる。この前のリーグ戦では最後に自分が点を取って引き分けたけど、今回はまずCBとして失点ゼロを目指したい」

FW 11 齋藤 学

「今週の序盤は対人練習もあって疲れがあったけど、いまは試合に向けて体も軽くなってきた。調子そのものはキャンプのときからずっと良い状態をキープしている。いまはミスをしてもポジティブなミスとして捉えられているし、自分の頭の中も整理できている。去年は何かをやらないといけないというプレッシャーもあって空回りしていたけど、最近はそういうこともなくなった。鹿島が強い相手なのは言うまでもない。そういう相手にチームを勝利に導くゴールを決めたい」

DF 27 富澤 清太郎

「リーグ戦の鳥栖戦が終わってから10日間のオフを挟んで、そのあとにキャンプをやった。自分たちの状態が一番良いときを体が覚えている。その状態になっているかどうかは正直分からない。練習試合は参考にならないので、実際に試合をやってみないと分からない。でも自分としては最初からガンガン行くつもり。もちろん鹿島が強いチームであることは知っている。勝ちきれたら良いけど渋い試合になる可能性も頭に入れながらプレーする。我慢強く戦わないといけない」

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