「悔しかったです。優勝できてうれしかったけど、悔しかった」 [遠藤渓太インタビュー]
実施日:1月29日(水)
インタビュー・文:藤井 雅彦
写真:星 智徳
協力:横浜F・マリノス広報室
ルーキーイヤーから数多くの試合に出場してきた。昨季は出場試合数、出場時間、得点、アシストとすべてにおいてキャリアハイの数字を記録。東京五輪を目指す五輪代表の常連で、昨年末には日本代表にも初選出された。
順調なキャリアを歩んでいるように見えるが、一方で本人は「まったく満足していない」と渋い表情で首を横に振る。マリノスでスタメンになりきれず、五輪代表に選出されてもベンチを温める機会が多く、そして昨年末の日本代表戦では力不足を痛感した。
迎える2020年。遠藤渓太はどのような成長曲線をイメージし、描いていくのか。「勝負の1年」と位置付ける今シーズン開幕前に、抱負と野望を聞いた。
チームで成し遂げた優勝。その時、遠藤渓太は…
――昨季、横浜F・マリノスは優勝という最高の結果で終わりました。それによってチームに変化はありそうですか?
「優勝したという経験が大きいと思います。ただの“快感”だけで終わるのではなく、優勝したチームしか得られない“佇まい”のようなものがあるのかなと。具体的にどういった部分で見えるのかは分からないですが、チャンピオンチームとしてのプライドを持って戦いたい。個人としても、特に優勝が具体的に見えてきた終盤戦で結果を残せたことはある程度自信になりました」
――後半戦だけで7ゴールを挙げ、味方に点を取らせるプレーも向上して7アシスト。立派な数字だと思います。
「でも、まったく満足していません。(力が)足りないからマテウスの控えになっていたわけだし、新シーズンが始まってからのキャンプでもエリキが1本目に出場して、自分は2本目以降の立場になっている。誰かと比べて力が劣っているとは思わないけれど、さらなる成長とアピールが必要です」
――絶対的な選手になりきれていない葛藤がある?
「成長や手ごたえを感じていないわけではありません。ただ、昨年の終盤戦は優勝争いの追い風があったこともたしか。チームとして勢いがあったし、やるべきことが明確になっていました。ラスト数試合になってからは優勝が見えてきて、途中出場だとしても自分もチームの力になりたかった。だからスタメンとしてもっと長い時間プレーしたいという思いを押し殺してでも、チームの勝利を最優先に考えていました。それに試合に出られない先輩方を含めて、みんながチームのために行動していたので、自分だけ身勝手なことはできません。でも…」
――でも?
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