松原健から畠中槙之輔へ。試合中、このホットラインのスローインを見たことがあるだろう。右SBから左CBへの展開は、実はかなり珍しいスローインである [トリコロールを待ちながら]
現在、リーグ戦は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中断している。J1は5月9日の再開を目指しているようだが、予断を許さない状況と言えるだろう。
こんなご時世だからこそ、何か明るい話題を提供できないものか。その思いからヨコハマ・エクスプレスでは連載企画『トリコロールを待ちながら』をはじめる。
初回の題材は、右サイドバックのレギュラーとしてファン・サポーターから絶大な支持を受ける、あの男だ。
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松原健のスローインは美しい。
ボールを受け取るまでの動作が素早く、投げる際の姿勢はどの角度から見ても凛々しい。そして正確かつ迅速に味方の元へボールを配球し、マリノスの攻撃を加速させていく。
もっとも本人は「あまりこだわっていないし、特に練習していません」。あっけらかんと笑う。
練習グラウンドで松原がスローイン練習をしている光景は、たしかに見たことがない。クロスを居残り練習しても、スローインに時間を割くことはない。
高校1年次にボランチやトップ下からサイドバックにコンバートされ、スローインという仕事に出会った。当時も、そして今も、深く考えて投げていないらしいが、取材を進めていくとそんなことはなかった。
飛距離が特別優れているわけではない。「飛ぶと言われるけど、ロングスローになるほどは飛ばない(笑)」と松原。では、何が優れているのか。
ロングキックも同じ要領だが、松原のスローインは『遠く』が見えている。そして『遠く』とは相手ゴールに近づくことがすべてではない。
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