「自分にとってマリノスは日本屈指のビッグクラブです。だからマリノスの守護神としてピッチに立ってリーグ優勝したい」 [梶川裕嗣インタビュー(後編)]
【梶川裕嗣選手インタビューコラム(後編)】
実施日:3月13日(金)
インタビュー・文:藤井 雅彦
協力:横浜F・マリノス広報室
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→前回からつづく
インタビュー後編では、徳島ヴォルティスでの飛躍からマリノス移籍に至る経緯までを余すことなく語ってもらった。
苦しい過去も、つらい経験も、すべては自身を突き動かすモチベーションに変わる。そう信じて歩んできた道は決して平坦ではなかったが、梶川裕嗣の今を形作る道程となっている。
ならば全北現代戦でのミスも、今後の原動力になっていくはず。梶川はそう信じて、Jリーグが再開する日を待っている。
徳島ヴォルティスの一員として過ごした3年間は、梶川裕嗣にとって大きな転機となる時間だった。
湘南ベルマーレから期限付き移籍で加わった2017年にJ2リーグ14試合に出場してきっかけを掴むと、完全移籍に切り替わった2018年は35試合、2019年には41試合に出場し、徳島の守護神として君臨した。
プロになって初めて手にしたレギュラーの座だった。
「湘南ベルマーレではほとんど試合に出られませんでした。プロ3年目の2016年の頃には『もう25歳なのにこんな状況なら引退しようかな』と考えたこともありました。でも湘南の選手たちはみんなが頑張る姿勢を持っていたので、自分もそれに引き上げられる形でなんとか頑張れた。そんな自分を必要としてくれた徳島では、とにかくチームが勝つために何をすべきかを考えてプレーしました」
コンスタントに試合出場できる状況は楽しく、充実していた。無失点に抑えて勝利すれば、こんなに幸せなことはない。
一方で「苦しかったこともたくさんありました」と当時を思い返す。
「ベルマーレ時代、秋元さん(陽太/現・FC町田ゼルビア)が話していた言葉の意味がようやく分かりました。当時、自分がまったく試合に出られなくて悩んでいたら『試合に出るほうがきついよ』と言われたんです。その時の僕には意味がまったく分からなかったけれど、いざ徳島で試合に出るようになってからはその気持ちが分かりました。そして乗り越えていかないといけないことが分かりました」
全試合勝てるわけではない。失点して、負ける日も当然ある。自身がミスを犯した試合もあった。そのすべてを受け止めて、次の試合に進まなければいけない。とにかくメンタルの強さが求められる難儀な仕事だった。
ピッチに立ち続ける厳しさを知った梶川は、2019年にはJ1昇格プレーオフ決定戦に出場。古巣の湘南ベルマーレと対戦した。
元チームメイトとのしびれる攻防は1-1の引き分けに終わる。規定によって悲願のJ1昇格を逃すも「レギュラーシーズンが終わった後の一発勝負は難しかったけれど楽しかった」と話せるほど大きな手ごたえを得た。
時を同じくして、J1のチャンピオンチームからオファーが届く。
マリノスは夏の移籍ウインドーでも梶川に興味を示し、シーズンオフのタイミングで本腰を入れて獲得に乗り出した。
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