フロントはオフの補強の際にシステム変更を視野に入れていた形跡。新戦力と天野純を加えた陣容なら『マルコス・システム』に変化もありうる [白熱のポジション争い2020 : MF編]
MF編では、トップ下とダブルボランチを合わせた中盤のトライアングルという観点から考察していく。
マリノスのMFには大津祐樹や渡辺皓太など、中盤で複数ポジションをこなせる選手が多くいる。もちろん昨夏以来の復帰が濃厚となっている“あのレフティー”もそうである。
昨季の主力3選手は今季も不動なのか。はたまたシステム変更を施した時に台頭するのは誰なのか。現状を整理しつつ、リーグ戦再開後の可能性を探っていく。
トップ下のマルコス・ジュニオールと、それを後方から支える喜田拓也&扇原貴宏。この3選手のハイパフォーマンス&好バランスが15年ぶりの優勝の原動力になったのは間違いない。
オフェンスにおけるすべての能力を備えるマルコスは仲川輝人とともに攻撃の中心人物だ。加入当初は左ウイングで起用されていたが、スピードと独力での突破力に優れるわけではなく、プレーエリアを固定するのも得策ではなかった。
それが判明してから、指揮官は一度たりともマルコスをウイングで先発させていない。バイタルエリアでフリーになる能力に優れ、ボールを受けてからはシュート、パス、ドリブルのすべてがハイレベル。仲川輝人と並んで15ゴールを挙げて得点王に輝いた。
そのマルコスを際立たせた要因として、喜田と扇原の存在は欠かせなかった。両選手のフォア・ザ・チームの精神は絶妙なポジショニングとアラートな守備意識に凝縮され、特に攻撃から守備への切り替えで力を発揮した。
強調したいのは、ただ守備の役割をこなすことに優れているだけではなく、マルコスの動きに合わせてポジションを取れる点だ。これはふたりが持つプレーの性質、そして性格も大きいが、同時にプレータイムの長さが成熟度の高さにつながっている。今年に入ってから消化した公式戦4試合すべてでこのトライアングルが先発しているように、指揮官からの信頼は厚い。
3選手に次ぐ存在がボランチなら和田拓也、トップ下なら大津祐樹である。
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tags: マルコス・ジュニオール 仙頭啓矢 和田拓也 喜田拓也 大津祐樹 天野純 扇原貴宏 水沼宏太 渡辺皓太
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