「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「ベルギーでは濃い時間を過ごしました。良いことも苦しいことも、行かなければ体験できないことばかりでした。天野純は人として少しは成長したと思います(笑)」 [天野純インタビュー(第3回)]

【天野純選手インタビュー(第3回)】

インタビュー・文:藤井 雅彦

 

©Y.F.M

第2回からつづく

 

 顔つきはどこか精悍さを増した気がする。ベルギーで味わった修羅場の数が、そう感じさせるのだろうか。

 日本を旅立った日から、もうすぐ1年が経過する。そして天野純は再びマリノスでの闘いに身を投じる。

 成長と進化はピッチで示す。揺るぎない決意を胸に、2週間後のリーグ再開に向けて牙を研いでいる。

 

 

ベルギーでのパフォーマンスにようやく手ごたえをつかんできた矢先に、不可抗力と表現するしかない不測の事態に直面する。

所属するロケレンの経営問題と、全世界で猛威を振るい始めた新型コロナウイルスである。

志半ばでの帰国となった天野純が、今の心境と描いていた青写真を明かす。

「本当は、もっと欧州でプレーしたかった。最初の数ヵ月はいろいろ苦労したけど、年明けくらいからようやく自分の特徴を出せるようになって、自信を掴みかけていた。代理人のところには自分に対して興味を示してくれているクラブからの話がいくつかあったと聞いている。自分としても来季は1部のクラブにステップアップして、最低でも3年は欧州でプレーするつもりだった。欧州チャンピオンズリーグのピッチに立つという野望があったから。ベルギー1部の2位以上になればその舞台に上がれる。簡単なことではないけれど、その舞台の端っこに立っているという感覚があった。欧州チャンピオンズリーグで暴れて、もっとビッグになってからマリノスに帰ってくるのが自分の理想だった」

 簡単な決断ではなかった。だからギリギリのタイミングまで飛行機に搭乗しなかったが、そのままベルギーにとどまるのは不確定要素があまりにも多い状況になっていった。

 

提供:天野純

 

ロケレンの経営状態に加えて、新型コロナウイルス感染拡大の影響でベルギーリーグが中断(※その後、シーズン打ち切りが決定)。新シーズンを迎えるまで身動きが取れない可能性もあり、無念の思いで帰国の途に就いた。

そしてマリノス復帰前、アンジェ・ポステコグルー監督とオンラインで意思確認を行った。

 

 

ヨコエク

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