「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「ベルギーへ行って、結果を残さないと何も評価されないと痛感した。ここまでゴールを欲していたことはない」(天野) 他 [神戸戦前コメント]

 

[コメント]

アンジェ ポステコグルー 監督

――お誕生日おめでとうございます。(※27日に55歳の誕生日を迎えた)

「アリガトウゴザイマス。自分にとって特別な日。今年に関しては、いろいろな人がいつもと違う誕生日を向開けていると思う。自分もそのひとりだけど、いい経験になっている。札幌との試合は選手たちがいいプレーをしてくれて、最高の日を迎えることができた」

 

――日本に来て3度目の誕生日だが、考え方の変化は?

「自分の中で3年はいい経験になっている。監督としても、個人としても、日本というとてもいい国で、素晴らしいスタッフと、最高のマネジメントをやってくれている。自分の中で楽しんでやれているし、達成感もある。プロとしての経験もそうだけど、プライベートの経験も家族とともに楽しんで暮らせている」

 

 

――先日、欧州でも活躍した内田篤人選手が引退した。彼は「欧州と比べると日本のサッカーは違う競技というくらいレベルの差が開いている」と話していたが、監督の考えは?

「違いはあるかもしれないが、戦術や技術は世界と比べてもトップ3やトップ4に入るリーグだと思っている。ベルギーのリーグなどは上位のチームはいいが下位のチームは難しい。Jリーグは全体でレベルアップしているし、欧州に対抗できると思う。スピードやインテンシティが高く、ギャップが縮まりつつあると感じている。たしかにプレミアリーグやブンデスリーガやセリエA、ラ・リーガなどは素晴らしいが、そのギャップは縮まっていると思う」

 

――チャンピオンズリーグなどを観るとハイプレス、ハイライン、ハイインテンシティはトレンドではなく当然になっている。マリノスもそういった考えか?

「Jリーグ全体を自分が変えることは難しいが、ハイプレスやハイライン、インテンシティの高いサッカーは作れると思っている。オーストラリアでも自分のやり方を落とし込んで変えることができた。でも日本の場合は天候の問題がある。湿度が70%を超えることもある。ポジティブに考えて、チームでやれることはある。マリノスに落とし込んで見せることができていると思う。でもすべてのチームがすべて同じスタイルになることはない。他のチームが自分たちのサッカーを見て、やってみようかなと思ってくれているとしたらポジティブに考えたい」

 

 

――今季ワーストと話していた大分戦の次の清水戦から3連勝した。そして昨日の試合は1ヵ月前の札幌戦とまったく違うゲームだった。この短期間でチームが変化した要因は?

「簡単ではない部分が多かったが、良いスタートを切れなかった。それはフィットしていなかったり、ケガ人がいたりした。選手たち全員がハードワークしてくれた。何かを変えたことはなくて、ケガ人やコンディションの部分で選手を入れ替えながら戦って、それは選手にとっても簡単な作業ではなかったと思う。大分戦では全体的に残念という思いで切り替えてくれて、いい形でフィットしてきた。内容も良くなってきて、ゴールもたくさん取れている。それを続けていきたい」

 

――これからも連戦で今週末は神戸、再び札幌、そして川崎フロンターレと対戦していく。さらに連勝を伸ばしていくために重要なことは?

「ベストを尽くすこと。自分たちがやっていることを続けることが大事だし、ケガ人を出さないようにしていくこと。もしケガ人が出てしまっても、出場する選手がどうやってチャンスをつかむか。日々の練習でハードワークを求めていて、そこでインパクトを残せるかどうか。今年はチャレンジな年。難しい状況をみんなでどうやって乗り越えるか。12月までタイトなスケジュールで、ウチだけでなくどのチームもチャレンジになっている」

 

――最近、ベンチ前でのアクションがエモーショナルになっている気がする。何か変えていることがある?

「何も変わったつもりはない。通常ならば3万人を超えているお客さんがいるから聴こえないことが聴こえているだけだと思う」

 

――札幌戦で先発した3トップはいずれも今夏に加入した選手だった。昨年も夏に加入したエリキ選手がすぐに順応したと思う。彼らが難しいサッカーにすぐに適応できる理由は?

「自分たちがやりたいサッカーがあって、スポーティングダイレクターたちと相談しながら加入する前から彼らの質やフィットできるかどうかを見ながら来てもらっている。だから必然的にフィットしてきて、すぐに活躍できるのだと思う。自分たちのサッカーを理解し、そこにハマる選手を獲得するのは簡単ではない。いいと思っていても、実際にはフィットしないこともある。ただ幸いに、いろいろな選手を獲得して短い期間で順応させることができているのは良いマネジメントがあるからだと思う。たくさんのいい選手がいる中で、誰が来ればフィットするかを考えてやっている」

 

 

 

MF 39 天野 純

――札幌戦は後半から出場した。久しぶりのピッチだったが、後半45分間プレーした感想は?

「細かな負傷が多くて、早くピッチに立ちたいという思いで迎えた試合だった。自分としては結果がほしかったし、ビッグチャンスを決めきれずに悔しい思いをした。でもチームとしては4-1で勝つことができて、とてもうれしかった」

 

 

――マリノス復帰直後も負傷していたが、細かい負傷が続いている原因は?

「いろいろなことが考えられると思うが、僕も29歳になった(笑)。そういった年齢の部分も少なからずあると思う。今までも最善の準備をしてきたけど、それでは足りないということ。もっと意識高くやらないといけないと痛感している」

 

――札幌戦では後半だけでシュート3本を打っていた。今シーズンは積極的な姿勢が見られるが、あらためてどんな意識でプレーしている?

「ベルギーへ行って、結果を残さないと何も評価されないと痛感した。それは日本に戻ってきてからも強く意識している。いいプレーも大事だけど、そこでゴールやアシストを残さないと何も評価されないと思っている。最近はその思いが逆に強すぎてゴールが決まらないのかなと思っている(笑)」

 

 

 

ヨコエク

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