【サッカー人気1位】相手のミスを咎めるのは勝利への近道 「…

「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

唯一にして最大の悔恨は負傷した仲川。しかし、ほぼ勝利が確定していた時間帯に、全力でスプリントしてゴールキックではなくスローインにしようとした姿勢に最大級の賛辞が送られるべき [J19節 柏戦レビュー] (無料記事)

 

立ち上がりから球際の攻防が激しく、攻守の入れ替わりも早いハイインテンシティなゲームに。アグレッシブに立ち回ったマリノスの内容も素晴らしかったが、それに対抗して同じシステムのミラーゲームで前線から鋭いプレスをかけてきた柏レイソルは、間違いなく強者だった。

マリノスとしては惜しいチャンスを作れていたものの最後のひと工夫を欠く展開で、セットプレーから失点。最も注意しなければいけないオルンガに決められたのは反省材料なのだが、それ以外の場面でリーグ得点王はあまり目立たなかった。後半に関しては3バック中央に喜田拓也を置く、あえての“ミスマッチ采配”にもかかわらず、むしろマリノスの強さが際立っていく。

 

 

「途中交代してきた選手のクオリティとチームとしての完成度、相手を認めざるをえない」(ネルシーニョ監督)

 敵将の言葉を引用させてもらう。日本で数々のタイトルを勝ち取ってきたネルシーニョ監督の言葉だから大きな意味がある。

ハーフタイムに扇原貴宏と仲川輝人を投入。前述したように喜田をリベロの位置に下げ、中盤に左利きの扇原が入ったことでボールの回りもスムーズになる効果が得られた。最前線はインパクトを残せなかったオナイウ阿道からエリキに代わり、復帰明けの仲川とともにスピーディーなアタックを繰り出していく。

 

 

冒頭で述べた通り、柏は前回対戦とは大きく異なって能動的にボールを奪う姿勢で臨んできた。そのため柏陣内にはスペースが生まれていた。マリノスが誇るスピード豊かなオフェンス陣にとっては旨味がある状況。プレッシャーをかいくぐることさえできれば、チャンスを作ることができる展開だった。

そんな流れから49分にマルコス・ジュニオール、51分には渡辺皓太のお膳立てから仲川が惜しいチャンスを迎える。さらに59分、再び仲川がフリーで抜け出して相手GK11の状況からフォローしたティーラトンへ。ティーラトンはシュートフェイントでGKをかわすも、シュートは懸命に戻ったDFにクリアされた。

チャンスの山を築いていくマリノスの攻撃がようやく実を結んだのは77分だ。左サイドからのパス交換で相手を切り崩し、仲川がスプリント能力を生かしてボールを奪ってラストパス。右足でシュートを決めたエリキは、これで5試合連続ゴール。接触プレーで額に大きなたんこぶを作っていたが、それもなんのその。背番号17が型にハマった時の爆発力はすさまじい。

 

 

この頃には、前半からアップテンポで戦ってきた柏にツケが回ってきていた。特に3バックの疲労は大きく、前田大然も投入してフレッシュなマリノスの前線が輝く。ポステコグルー監督が常々言っているアグレッシブさを貫いていたからこそのゲーム終盤である。

自陣でのクイックリスタートからエリキが小池龍太のスルーパスに抜け出し、折り返しのラストパスは戻り切れなかったDFに触れてオウンゴールとなって逆転。後半アディショナルタイムには和田拓也のソフトなパスから仲川が中を見ないで上げるマリノスお得意の形。これを前田がプッシュし、デザインされたゴールが完結した。

 

 

これで4試合連続での3得点で今季初の4連勝。柏はリーグ上位の力を持つチームだけに、この勝利が持つ意味は大きい。強い相手に、強いサッカーで、強いマリノスを見せつけた。

唯一にして最大の悔恨は、ラストプレーで再び負傷した仲川。

素晴らしくキレのある動きでチャンスに絡んで2アシストを達成した。逆転勝利に大きく貢献しただけに、エースの再離脱はあまりにも残念だ。立ち上がれず単価で運ばれた様子から考えて23試合後に復帰できる類ではないだろう。

 

 

しかしながら、2点リードでほぼ勝利が確定していたあの時間帯に、全力でスプリントしてゴールキックではなくスローインにしようとした姿勢には最大級の賛辞が送られるべきだろう。最後までアグレッシブに、最後まで相手ゴールを目指す。試合終了のホイッスルの音が響くまで、誰ひとり手を抜かない。

マリノスの強さを体現してくれた仲川はしばしの休養の後、さらに逞しくなって帰ってくるはずだ。

 

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