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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

風が吹いている [J26・清水戦レビュー] (藤井雅彦) -1,349文字-

風が吹いている。しかも、トリコロールの背中を押すような追い風である。流れを感じずにはいられない。

4-2-3-1_best 前兆は試合前からあった。浦和レッズが勝利目前で残留争いの真っ只中にいるヴァンフォーレ甲府に追いつかれて勝ち点1を分け合った。後半ロスタイムに同点ゴールを決めたのは、昨年までマリノスに所属していた『アオちゃん』こと青山直晃だった。試合前まで2位につけているチームが取りこぼした。つまりマリノスが勝てば2位との勝ち点差が開く状況になっていた。同時に、より負けられないシチュエーションとも言える。

高ぶるテンションが試合開始直後に爆発する。ホーム・ニッパツ三ツ沢球技場の雰囲気も選手を後押ししたのかもしれない。樋口靖洋監督は試合序盤について以下のように述懐している。

「立ち上がりはとても良い入り方をして、アグレッシブにボールを奪い、さらに相手のディフェンスラインをひっくり返すようなスルーパス、あるいは仕掛けができた」

 すべてのおいてアグレッシブなマリノスが清水を圧倒した。その流れのまま、開始4分という早い時間帯に先制に成功する。中村俊輔はマンマーカーの村松大輔を巧みなブロックで外し、フリーでボールを受ける。左サイドから対角線にゴールを決めると、そのままゴール裏へと走り寄って派手なゴールパフォーマンスを披露。何度も、何度もガッツポーズを繰り返し、サポーターの歓声に応えた。

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4-3-3清水 しかし、本当に追い風が吹いたのは先制してからの話である。それは特に後半、清水に押し込まれてから効力を発揮する。48分、左サイドから切り込んだ大前元紀の強烈な右足ミドルが右ポストを叩く。86分にはセットプレーからの混戦で杉山浩太が左足を振り抜くも、またしても右ポストへ。「今日は勝ったけど内容は五分五分の展開だったと思う」という兵藤慎剛の慎重なコメントはおそらく本音だ。

それでもなお勝ち点3を奪取した。その価値は計り知れない。こうなればスコアや得点数など関係ない。実力が伴っているだけでなく、運も味方につけ、与えられた好機をしっかり生かす。この時期までくれば内容は二の次でもいい。とはいえシーズン序盤から運任せのサッカーをしていたら、シーズン3分2以上を消化した段階で勝ち負けを語ることなどできない。内容と結果を並行して積み上げてきたからこそ、いまのマリノスがある。

この勝利をもって、2位のサンフレッチェ広島に勝ち点4差をつけることに成功した。1ゲーム以上の“貯金”ができたというわけだ。間違いなくチャンスが訪れている。そのことを予感させる、初秋の三ツ沢ナイトであった。

 

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