「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「マルキが出られなかったら武器が減る」(富澤)・「優平はチャンスを作れる。フジくん(藤田)の力はレギュラークラス」(俊輔) [仙台戦直前コメント] -2,702文字-

【試合に向けて】
樋口 靖洋 監督

「(マルキーニョスについて)先週もそうだったけど、ちょっと痛みがある箇所があるので大事をとっている。そんなに深刻な状況ではないと思うので、様子を見ながらやっていく。この時期なのでコンディションが急に落ちるということはない。練習をしてひどくするのが一番怖い。去年は開幕直前にけがをして、その離脱が長引いてしまった。今シーズンは大きなけがなくここまでやれている。最近はちょっとゴール数が止まっているけど、1点取ればまた連続して取ってくれると思う。20点は一つの目標にしていってほしい。
(齋藤について)この前の試合では始まってすぐに右足首を痛めてしまった。今回はその負傷と出場停止が重なった。無理はさせないけど、本当はトレーニングで追い込みたいところ。最近は正直、調子があまり良くないので。安定感はない。代表に選ばれているメンタル面なのか、それとも小さなけがが続いている影響なのか。中断期間明けの6月から7月くらいは雰囲気があったけど、最近はあまり良くない。
(仙台について)仙台にはずっと勝っていないと思う。でも去年の2試合と比較して、今年の最初のゲームはスコアレスドローだったけど手応えを感じている。特に終盤は決定機を作ることもできた。仙台は選手も揃ってきて、相手のダブルボランチの冨田と角田が揃うと強烈。90分間緩みのないチーム。隙がないチームで隙を見せない。ハードワークするチーム。今年の最初のゲームでは明らかにロングボールを多くして割り切ったサッカーをしてきた。それまでの試合よりも3割増しくらいでロングボールが多かったと思う。お互いが出し合うのか、それとも消し合うのか、ということ。でも消された中でも90分間に何回かは上回る時間帯があって、そこで決定的なチャンスを作れるはず。逆に苦しい時間帯はしっかり我慢する。そのあたりのコントロールが大事になる。
(中村へのマンマークについて)清水戦では相手の村松が給水するところまで完全にマンマークできていた。あそこまでガチガチのマンマークは初めてだったと思う。データ的にはマチ(中町)が圧倒的にボールに絡んでいる。それは相手のマンマークをうまく利用できているということ。シュン(中村)は逆にボールタッチ回数が少ないけど、味方にスペースを作ったりしながら要所では顔を出している。少しフラストレーションがたまるかもしれないけど、チーム全体のことを考えながらプレーしてくれた。相手にリアクションさせているのは悪いことではない」

MF 7 兵藤 慎剛

「仙台は相手の良さを消してくるスタイル。しかも全員が常に頑張るチームなので対戦する側としては厄介。特に最近は割り切ったサッカーをしている印象なので難しい試合になる。清水戦のようにシュンさん(中村)にマンマークをつけてくるチームはこれから増えてくると思う。もしかしたら仙台もそうかもしれない。そのときにどうするか。(齋藤)学が乗り切れていなくて、自分の調子もイマイチ。もっと相手の間で受けていきたいので、そういう動きを増やしていって、そこにパスを出してもらうように要求したい。ウチは若いチームではないので勢いは少しないかもしれないけど、それを補うだけの戦術眼がある。それが去年多かった引き分けを勝ちにできている要因だと思う。序盤はよく点が入っていたけど、いまは2点目が入らない。2点入るとチームはうまく回っているように見えるもの。最近はなかなかそういう展開にならないけど、決して内容が悪いわけではない」

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DF 27 富澤 清太郎

「最近はどのチームもマリノスのことを研究してくるので、いつも難しいゲームになる。仙台は特に研究してくると思うし、そうでなくてもいつも難しい相手。中盤では駆け引きがあるだろうから、それを楽しみながらプレーしたい。(齋藤)学が出場停止になるけど、今年は小さなけがが多くて、何度かこういうことがあった。だからそんなに慌てることはない。マルキの状態もちょっとわからないけど、もし出られなかったら武器が減ることは間違いない。それをチーム全体で補って戦いたい」

GK 1 榎本 哲也

「マルキと(齋藤)学がいないのは痛いといえば痛い。でも紅白戦では(佐藤)優平の調子がすごく良かったし、オレ個人としてはフジ(藤田)がやってくれると思っている。こういうところで勝てないと優勝はできない。チーム全体でカバーしないといけない。フジや優平だけではなく、普段から試合に出ている選手が彼らの良さを引き出してあげないといけない。二人の良さを引き出せるのは普段から試合に出ているメンバーだけ。こういうタイミングで勝てたらすごく大きな1勝になる」

MF 25 中村 俊輔

「二人(マルキーニョスと齋藤)がいないのはもちろん痛い。でも、それでシステムを変えて人も変えるよりは、システムはそのままで誰かを当てはめたほうがロスは少ない。(佐藤)優平は相手の間あいだで何かできる選手。ヒョウ(兵藤)もそうだし、そういう選手が2列目に3人並ぶのは悪くない。仙台は4バックと中盤の4人でブロックを作ってくるけど、間に入るとついてくるという感じではないので、優平はチャンスを作れると思う。フジくん(藤田)の力はレギュラークラスだから。マルキよりもサポートが必要なタイプだけど、ゴール前では一人でこじ開けることもできる。自分もそうだし、ボランチや最終ラインからフジくんの動き出しを見て長いボールでも出していきたい」

MF 8 中町 公祐

「いつもコーチ陣から『次はボランチ勝負だね』と言われる(笑)。仙台は角田と冨田のチームに安定感をもたらしているけど、そこに負けていたら話にならない。ダブルボランチのバランスという点ではあまり負けている気はしない。8月の終わりに鹿島や大宮に負けてしまったけど、それを教訓として生かせていると思う。シュンさん(中村)へのマークが厳しくなるのは当然で、それを踏まえた上で戦えている。負けた試合を糧に戦えているのは大きい」

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