「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「今シーズンは何もタイトルを獲れなかったけど、最後の試合くらいはみんなでファン・サポーターも笑顔になって勝って終われたらいい」と仲川輝人。今シーズンのラストゲームで背番号23は何を見せてくれるのか

 

言葉を紡ぐ仲川輝人は淡々とした口調だった。

「(ACLは)まさか、あそこで負けるとは思っていなかったのが正直なところで、みんな決勝を目指して戦っていた。気持ちの切り替えはすごく難しい部分ではあった」

 悔しい逆転負けから1週間以上が経過し、チームはすでに19日の横浜FC戦へ向けた調整を再開している。プロとして気持ちを切り替えて戦わなければいけない。それでも、あの悔しさが完全に消えることはない。そんな心情が読み取れるコメントだった。

負傷が癒えて臨んだACLの舞台で躍動した。仲川らしいスピードを生かした飛び出しからのクロスでエリキの得点をアシスト。すると今度はエリキのアクロバティックな折り返しを予測してゴール前に飛び込んでゴールを決める。仲川にしかできないプレーとパフォーマンスがマリノスに勝ち点と勢いを与えた。

 

 

しかし、一発勝負の決勝トーナメントは残酷だ。「ノックアウトステージだと勝ったチームが強い。自分たちが弱いということを認めるしかない」(仲川)。最後は勝者と敗者に分かれる。内容云々ではなく、白か黒か。突き付けられたのは厳しい現実だった。

ここまでリーグ戦ではわずかに2得点。度重なる負傷に苦しみ、本領発揮できないシーズンとなった。仲川はこんな言葉で今シーズンを振り返る。

「何もできずに終わった1年だった。その悔しさを来年につなげて、もっとチームを助けないといけない」

 いや、まだ終わっていない。今シーズンのラストゲームで背番号23は何を見せてくれるのか。

「今シーズンは何もタイトルを獲れなかったけど、最後の試合くらいはみんなでファン・サポーターも笑顔になって勝って終われたらいいかなと思う」

 チームを勝利に導き、ファン・サポーターに笑顔を届ける。重要な使命を背負い、ピッチで輝く。

 

 

 

FW 23 仲川 輝人

――ACLで仲川選手は3ゴール4アシストで、チームは初のベスト16進出。最後は悔しい負け方だったが、どのように感じている?

「個人としてはいいコンディション調整ができたと思うし、結果もある程度出せた。でもチームがあそこで負けてしまったのは自分たちの力のなさだと思う。ノックアウトステージだと勝ったチームが強い。自分たちが弱いということを認めるしかないかなと思った」

 

――水原三星戦は今シーズンを象徴するような試合に見えた。どのように感じた?

「本当にその通りだと思う。前半に2点、3点と取れていれば違った結果になったと思う。今シーズンは後半の入り方やゲームの作り方が全体的にバタバタしている感じがあった。前から行くところとそうではない時のバラバラ感があったと思うし、それが相手のリズムを作ってしまう原因になったのかなと。非常にもったいない負け方というか、勝っているのに焦っているというか。それがチームに見られたのが今シーズンの負けている時の試合かなと思う」

 

©Y.F.M

 

――仲川選手のコンディションが上がってきているように見える。リーグ最終戦でどのような試合をしたい?

「やることは変わらないし、最終戦だからとかではなく、いつも通りのサッカーをすることが第一。そこにプラスαで、点を取る。自分たちは1点だけでは足りないし、勝てないチームだと思っている。2点、3点と追加点を取って自分たちのスタイル。そこはブレずにやっていきたいし、最終戦は横浜ダービーなので絶対に負けられない試合。今シーズンは何もタイトルを獲れなかったけど、最後の試合くらいはみんなでファン・サポーターも笑顔になって勝って終われたらいいかなと思う」

 

――1点では足りなくて2点、3点取ることを目指していくべきなのか、先制点を大事にして追いつかれないことを目指して行くべきなのか。方向性のイメージは?

「自分たちはブロックを作って守備することをやっていないので、前からプレスでハメて奪ってショートカウンターを狙う。そういったサッカーをやってきたので、ブロックを敷いて守るのは自分もあまり好きじゃない。点を取ってこそ喜び合えることも増えるし、それがいまのマリノスにとって大事なことだと思う」

 

 

――練習を再開してからのチームの雰囲気や話したことは?

 

 

ヨコエク

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