「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「J2に落ちたチームという感覚はない」(俊輔)・「ジュビロに開き直ってプレーされると嫌だ」(中町)+マルキ・栗原・榎本他 [磐田戦直前コメント] -2,535文字-

【試合に向けて】
樋口 靖洋 監督

「(天皇杯4回戦・AC長野パルセイロ戦について)苦労した。延長まで戦ったダメージについては試合までにどれだけ回復できるかによる。ジュビロ戦までの中2日はコンディションのことしかできなかった。シュン(中村)に関してはキレの部分はまだまだ。ただ、自分でも言っていたと思うけどフィジカル的には天皇杯で上げることができたと思う。出場時間に関してはほぼ予定通り。状況がおもわしくない場合は後半15分くらいから出場する予定だった。できれば30分がよかったけど、長くても延長を含めた60分の出場になるという計算だった。
最近のゲームはチーム全体としてあまり良くない。キレが少し足りない。でもウチは連戦のほうがいいことも多いから心配はしていない。天皇杯で少し苦労したことでメンタル的にもピリッとするはず。120分戦って負けていたらダメージが大きかっただろうけど、勝てたことで次へ進める。残り3試合はスタイルをどれだけ出せるか。上位にいるチームはスタイルがはっきりしているチームだと思う。ウチは本来の姿で奪いに行く守備ができて、しっかりボールを持って、攻撃の起点を作る。スタイルを押し出せたチームが良い結果を出せる。
ジュビロは春先に戦ったときに、とても力があると感じた。降格という結果はまったく想像できなかった。そのチームが前節、降格ということが決まって、どういうモチベーションで戦ってくるか探りにくい部分はある。ただ、開き直ってくると思うし、個々の能力はJリーグでも上位の力がある。その力を出させないように戦いたい」

DF 4 栗原 勇蔵

「いまは野球でいうところのM(マジック)3。ジュビロに勝って、ほかのチームの結果次第では一気にM1にできるかもしれない。だから、まずは自分たちが勝つこと。天皇杯の疲れがないわけではないけど、ここまできたら関係ない。残り3試合を無失点で終われれば優勝できると思う。歯を食いしばっても完封したい。チームとしてはいい意味で序盤から雰囲気は変わらない。残り5試合、残り3試合になったら変わるかと思ったけど、予想以上に変わらない。明日勝てば優勝、ということになれば違うのかもしれないけど。名古屋戦に負けて得たものはなにもない。もちろん優勝したいし、そのために明日のゲームはなんとしても勝ちたい」

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MF 8 中町 公祐

「天皇杯の途中からボランチに戻って、やっぱりしっくりくる部分はあった。自分とカンペーさん(富澤)が中盤の底でゲームをコントロールして、チーム全体を回さないといけない。もちろん、自分たちの前にシュンさん(中村)がいるのは前提としてある。残り3試合になったし、いままでやってきたこの組み合わせで力を発揮したい。ジュビロは降格が決まっているだけに不気味。開き直ってプレーされると嫌だな、と。ただ山田がいないのは大きいと思う。彼はゲームを決められる選手だし、毎回苦労している印象があるから」

DF 13 小林 祐三

「いまのチームのやり方やシステムはシュンさん(中村)中心に作ってきた部分があるので、シュンさんが入れば変わる部分は当然ある。でもこれまでシュンさん一人で戦ってきたわけではない。シュンさんがいいプレーできるかどうかは周りの選手にかかっている部分も大きいと思う。そういう気持ちでプレーしたい。ジュビロがどういった心境で戦ってくるかは分からない。サッカー選手のプライドだけで戦ってくるだろうし、序盤からガンガン来ることは想像できるけど、それを考えることにあまり意味はない。ウチはウチらしく戦って勝ちたい」

MF 25 中村 俊輔

「90分走れるかどうかは正直わからない。でもこういうときはメンタルが大事なので、最初から飛ばして、いままでの経験と感覚を生かして場面場面でやっていく。セットプレーで点を取れれば大きい。特にCKを大事にしたい。ジュビロはボールを持ってチャンスを作れるチームだし、J2に落ちたチームという感覚はない。天皇杯で120分出場した選手はキツいと思うけど、たとえ走り負けたとしてもサッカーのツボやコツを心得た選手が多いので、その感覚を鈍らせないように戦いたい。1点差ゲームになっても、とにかく90分の中で結果を残すというメンタルのタフさが大事。名古屋戦に出られなかったことを取り返すという使命がある」

FW 11 齋藤 学

「けがはもう大丈夫。完全かと言われたそうではないけど、プレーできる状態にあると思う。別メニュー調整が10日間くらいあったけど、逆に言えば10日間くらいならそんなに問題ない。体力が極端に落ちているということはないし、シュートも打てるようになっている。残り3試合なのでそこに全力を注ぎたい。多少の痛みがあっても出場したい。役割については監督が決めること。先発なら左サイドで起点を作りたいし、途中からなら流れを変える役割を求められていると思う。思い切ったプレーを見せたい」

GK 1 榎本 哲也

「降格しているチームとの対戦だからラクに勝てるというわけではない。ウチは最近、大分と対戦してすごく苦戦した経験がある。ただ苦労しながら最後に勝つことが重要。守備陣としてはとにかく無失点を意識したい。名古屋戦は失点のタイミングと時間帯が悪かった。守るべきところをしっかり守ればウチは簡単にはやられない。名古屋戦を除いて守備陣は安定しているので、その流れを取り戻したい。残り3試合をすべて勝てば優勝できる。その権利があるのはウチだけ」

FW 18 マルキーニョス

「残り3試合で優勝を狙える位置にいつのだから疲れたなどと言っている場合ではない。中村はもちろん特別な選手だが、自分が前で孤立してしまうと点を取るのは難しくなる。シーズン序盤や中盤のようにMFの選手が前を追い越したりサポートする動きが必要になる。ウチはベテランが多いチームと言われているけど90分走りきれるし勝てるチームだ。残り試合は一つのこぼれ球を絶対に自分が拾うという強い意思が必要。一人ひとりがそういった気持ちを前面に押し出して、それが周りに伝わって、戦う姿勢が生まれる優勝していないのに、優勝しているという雰囲気になってはいけない」

 

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