今シーズン、マリノスのコーチングスタッフに加わったOBの大島秀夫アシスタントコーチ。石垣島では、その大島コーチは重要な任務を請け負った
今シーズン、マリノスのコーチングスタッフにふたりのアシスタントコーチが加わった。
OBの大島秀夫と榎本哲だ。
大島は現役を引退して4年、榎本はまだ2年と、指導者としてのキャリアをスタートしてから日が浅い。
今日と明日は彼らふたりが石垣島でどのような働きを見せていたのか、その奮闘ぶりをコラムで詳報する。
前編の今日は、J通算98得点という日本人屈指の実績を持つ大島秀夫アシスタントコーチだ。
想定外のアクシデントは、ひとりの指導者として腕の見せ所だったのかもしれない。
1月に緊急事態宣言が発令された影響で新規外国人の入国禁止措置が取られている。そのためジョン・ハッチンソンヘッドコーチとスピロス・トゥジアラキスフィジカルコーチが現時点で来日できていない。キャンプ中のトレーニングで主に音頭を取るはずだった両名不在によって、ショーン・オントンアシスタントコーチと、それから大島秀夫アシスタントコーチが重要な任務を請け負った。
当初、大島は練習メニューを任されず、ボールを使ったウォーミングアップのサポート程度の役回りのはずだった。アンジェ・ポステコグルー監督の考えでは、トレーニングを仕切るのはあくまでもヘッドコーチの仕事。マネージャーである監督はそれを静かに見守り、アシスタントコーチたちがサポートを行う。過去3年の石垣島キャンプでも貫いた理想の形だ。
それが予期せぬ出来事によって急きょ練習メニューを作成することになり、実際の指導も行うことに。フォーメーション練習で全体をふたつのグループに分かれれば、ひとつはショーン・オントンコーチが、そしてもうひとつを大島が担当する。練習前には早めにグラウンドへ移動して準備もしなければならず、汗を拭う暇もないほど忙しい日々を過ごしたが、最高に充実したキャンプ期間でもあった。
大島は2016年いっぱいで現役を引退。2017年からマリノスのアカデミーコーチとして、ジュニアユース追浜の指導にあたった。思春期で反抗期真っただ中の中学生に対し、サッカーだけでなく人間としての教育も欠かさなかった。
もっとも、当時から「いつかはトップチームの指導者に」という思いを胸に秘めていた。
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