「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

50,699枚分の期待 -新潟戦2日前レポート [優勝までのカウントダウン(5)] (藤井雅彦)

試合2日前も晴天に恵まれたが、この日は強風に悩まされた。そういえば、今シーズンの分岐点となるゲームの数日前はきまって強風に吹かれていた記憶がある。これもまた吉兆か。

この日から齋藤学と小林祐三が全体練習に復帰し、アルビレックス新潟戦に向けて紅白戦を行った。主力組のメンバーは不動の11人。つまりはジュビロ磐田戦に先発した顔ぶれである。それぞれ痛めている箇所はあるものの、この日のメニューを最後まで消化した。齋藤は「痛みはあるけど、試合はできる状態」と出場に意欲を燃やす。両者とも火曜日、水曜日とあまり負荷をかけないトレーニングに終始したことで、患部の痛みはある程度引いている状態のようだ。

マリノスは万全の態勢で試合に臨む。対戦相手はリーグ後半戦に限れば最も勝点を稼いでいる新潟。攻守にバランスのとれたサッカーを展開しており、樋口靖洋監督は「ボールを奪うところの集中力や戦い方については同じ趣向なのかなと思う」と分析した。守備に関しては「前のエンジン次第」(栗原勇蔵)という側面もあり、いまの新潟は実際に前から献身的に守備をしている。「怖い相手」(栗原)である。

ただし新潟に同情するとすれば、あまりにもタイミングが悪すぎた。何度でも述べるが、この試合に勝てば無条件で優勝が決まる。しかも会場はホームの日産スタジアムで、試合2日前10時現在、前売り券の販売は50,699枚を記録している。クラブは6万人動員を目標に掲げており、ここ数日でそれも夢ではない数字まで伸びてきた。これに選手たちのテンションが上がらないはずがない。2万人しかいない日産スタジアムはたしかに“まったり”してしまう。だが、4万人を超えると迫力満点のスタジアムへと変貌を遂げる。5万人、いや6万人ならなおのことである。

 

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相手は調子が上がっているチームで「簡単な試合にはならない」(兵藤慎剛)。肉弾戦となり、一つのセカンドボールが勝敗を分ける決め手になるかもしれない。ただし、そういった展開で強さを発揮するのが今シーズンのマリノスだ。セットプレーを生かしてギリギリの攻防を制し、勝ち点3を奪取する。青写真は見えつつある。

 

 

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