「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

二次キャンプ後半、ストライカーポジションはオナイウ阿道と前田大然が激しいデッドヒート。昨季のチーム得点王ふたりの穴埋め問題を、いかにして解決していくか

 

開幕戦の川崎フロンターレ戦を10日後に控え、マリノスは今日から二次キャンプ後半に突入した。今回は、各ポジションの状況を精査していく。始動日から3週間以上が経過し、各セクションの序列に変化はあったのだろうか。

 

 


 

これまでに消化した3試合の練習試合では、いずれも3バックを採用した。マリノスのスタイルにおいてシステムは大きな意味を持たないが、最終ラインは常に3枚。中盤はワンボランチとダブルボランチを併用しており、ここは人選次第となる。そして前線は両ウイングが大きくタッチライン際に張り出す3トップだ。

GKの定位置争いはヴァンフォーレ甲府との練習試合で1本目に出場した高丘陽平が一歩リードしている。昨季終盤は勝ち星に恵まれなかったが持っているポテンシャルは高い。それを追うのがオビ・パウエル・オビンナ、梶川裕嗣、中林洋次となる。松永成立GKが「能力のギャップは小さい」という争いは開幕直前まで、いや開幕後も続いていくだろう。

 

 

今季初の練習試合、沖縄SV戦 1本目

3バックは左にチアゴ・マルチンス、中央に畠中槙之輔、そして右に新加入の岩田智輝という3選手でほぼ固定されている。負傷の影響で13日の甲府戦を回避したチアゴだが、明日17日に予定されている練習試合には問題なく出場するはず。よほどのことがないかぎりは3バックならばこの3枚が開幕スタメンに近いセットと言っていい。

ただ伊藤槙人、實藤友紀、松原健の組み合わせも紅白戦や練習試合では主力組と遜色ないパフォーマンスを見せており、虎視眈々とレギュラーの座を狙っている。伊藤はビルドアップ時の縦パスに磨きがかかり、経験豊富な實藤はコーチングで全体を統率できる。松原もポステコグルー監督の思考をしっかり理解しているという点で、計算できる選手だ。

次に両ウイングバックの争いだが、左はやはりティーラトンへの信頼が厚い。高野遼も異なる色で勝負しているが、昨季までと同様にインサイド寄りのポジションを取る回数が多いスタイルだけにティーラトンに一日の長がある。高野がポジション奪取するためには継続的なアピールが欠かせない。

 

 

一方で、右ウイングバックの争いは混沌としている。二次キャンプ序盤までは小池龍太が一歩リードしているように見えたが、13日の甲府戦ではマルチロールの和田拓也が起用された。そして昨日のトレーニングでは、それまで3バックの右で起用されることの多かった松原がこの位置に上がり、スムーズなプレーを見せていた。臨機応変さが求められるポジションでそれぞれ特徴が異なるだけに注目の争いで、最大の激戦区かもしれない。

 

 

 

中盤の底は、ワンボランチを採用するならばやはり扇原貴宏が筆頭候補。石垣島キャンプ序盤に負傷した喜田拓也は復帰にもう少し時間がかかる見込みで、天野純と渡辺皓太は甲府戦でダブルボランチを組んだように守備に不安があるためワンボランチでの起用は現実的ではない。扇原のスペアカードは和田だろう。

 

 

現状で、天野と渡辺はトップ下を争うライバル関係にある。

 

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