「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「またシビアな一週間になる」(中澤)・「あんな低いところに蹴っていない。もっと上から降らせる感じで蹴った」(俊輔)+栗原・兵藤他 [新潟戦後インタビュー(1)]  -2,742文字-

【試合を終えて】

MF 25 中村 俊輔

「いま切り替えるのは無理だから。前節、広島と浦和が味わった一週間を自分たちが味わう。最後に向けてどうやって立て直すか。2失点目はみんな上がっていたのでしょうがない。1点目を入れられて、ファビオが入って、前にファビ オ、マルキ、フジくん(藤田)が競るけど、その後ろを誰かが走っているわけでもない。まだ未熟なところがある。今までの中で新潟が一番守備が堅かった。そ ういう意味で自分のFKが入っていれば…。あんな低いところに蹴っていない。もっと上から降らせる感じで蹴った。もちろん今日決めたかったけど最後までも つれると思っていた。優勝しなきゃいけないというプレッシャーを感じて、それを受け止めながらポジティブにやって、そういう集団になれるか。次勝てば得る ものも大きい。全然ネガティブになる必要はない。何人かの選手はいつものプレーができていなかった。逆にボンバー(中澤)なんかは良かった。そういうとこ ろは少しもったいない。(ACL出場権獲得について)みんな優勝のことしか頭にない。これだけお客さんが集まってくれて、その期待を裏切ったけど、あんま りネガティブにならないように。一週間しっかりやって次決めたい。ホームで決めるのが一番いいけど、もう一回チャンスがあるのはウチだけ。そういうポジティブな気持ちになれるかどうか」
樋口 靖洋 監督

「率直に、今日決めたかったという思いが強くあるが、しっかりと現実を受け止めて34試合目で決める。我々にしか自力優勝の可能性は当然残っていないので、次勝つことだけに集中して、また1週間準備をしたい。今日のゲームに関して言えば、後期(第18節以降)一番戦績のいい新潟との対戦ということで、ゲーム前から非常に難しいゲームになると覚悟はしていた。特に新潟のプレスの厳しさでなかなか落ち着き場所を作らせてもらえないということで、苦労するだろうという想定で入った。前半は予想どおりの形だったが、なるべく不用意なカウンターを減らしながら0-0でいけば、後半に勝機は必ず来ると思っていた。ある程度ゲームプランどおり進んで、後半は相手のサイドを起点にして突破の形も作ったが、失点したところからなかなかそれをはね返すことができなかった。選手たちは今日1日は暗い顔をしていると思うが、明日からまたしっかりと顔を上げて、我々にしか残っていない権利を手放すことは絶対にできない。もう一度そこをチーム全体で確認して、いい準備をして、次の川崎F戦で決めたい。(川崎F戦で大事なことは?)1-0でも勝てばいい。今季のウチの特長はボールを奪う守備なので、これまでどおりいい場所でボールを奪う、チームとしてボールを奪うということを徹底しないといけない。特にフロンターレはアタックゾーンにかけてのボールの動かし方がとてもスムーズなチームなので、そこに入られる前に芽を摘むことも大事なポイントになる。終盤に来てなかなか流れの中で点を取れていないのも事実。ただ、今日は何度もチャンスを作っている。しっかりとボールの動かし方を整理しながら、ゴールチャンスを多くする。今までどおりいい守備からの攻撃を徹底してやっていきたい。(修正ポイントは?)ペナルティーエリアの角を取ることがウチのコンセプトとしてあるが、そこを取ったときに際どいボールをもっとボックス内に入れて人数をかけるリスクを冒すべきだったと思っている。もう一度ビデオを見直しながら、中の人数がどうなのか、あるいは入れるタイミングはあるのかどうか、これは検証しないといけない。やはり得点を奪うために相手の一番嫌なボックスの中にリスクを冒して入っていく、入れていく勇気を持ってやっていく必要がある」

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DF 22 中澤 佑二

「新潟がこういうサッカーをしてくるのは分かっていた。それが彼らの良さだし、後半戦そうやって巻き返してきた。驚くことではないし、それに対してウチがどういうサッカーをするか。セカンドボールを拾えなかったし、精度も低かった。プレッシャーをかけられてシュン(中村)がフリーで持つことが少なかった。チャンスもあったけど、セットプレーで逆に決められてしまった。ウチがああいう形のサッカーをやっているときは勝っている。でもウチが負けるのもああいうサッカーをされたとき。前からプレッシャーをかけられるとナビスコの柏戦のようにやられてしまう。前線の選手がもう少し流動的に動くことも必要。ウチは[4-2-3-1]の形のまま戦ってしまう。シュンや(齋藤)学が個ではがさないとこうなってしまう。今日は相手のセットプレーも多かった。ああいう形で点を取られることもある。前半しのいで、後半勝負という形になったけど新潟はGKのスーパーセーブもあったし、DFも体を張っていた。サッカーの神様はそんなに甘くない。ラスト1節なので泣いても笑ってそこで決まる。またシビアな一週間になると思う」

DF 4 栗原 勇蔵

「これだけのお客さんが来てくれたので、なんとしても勝ってホームで決めたかった。優勝するのは難しいなとあらためて思った。今日は負けたけど次に自力優勝を決められるのはウチだけ。切り替えて優勝できるように頑張りたい。失点はいろいろ重なったというか、もったいなかった。もともとバックヘッドしようと思っていたところで、パンゾー(小林)と少しかぶった。前半はプレスをかけられて相手のペースだった。そこをしのいで失点ゼロで抑えたのはよかった。後半はウチのペースになって、カウンターを警戒していた。でもちょっとしたミスからCKを与えて、ミスが重なって失点した。新潟は力があるし、強いチーム。そこで勝ちきれないのはウチに力がないから。考え方次第だけど、前節ラッキーな展開で今日はチャンスになった。もともとはこういう勝ち点差だった。広島と鹿島にも優勝のチャンスがあるけど、まだまだウチが有利。油断ではなくてプラスに考えたい。モチベーションが上がらないはずがない」

MF 7 兵藤 慎剛

「こういうゲームだし堅くなるのはしょうがない。前半、何回かカウンターでチャンスがあったけど決められなかった。シュートで終わる展開も少なかった。セカンドボールの奪い合いは新潟のほうに分があった。新潟が後半戦調子のいい理由がわかったし、いいプレッシャーをかけてきた。新潟が良かったのもあるし、自分たちが良さを出せなかったというのもある。新潟のほうが勢いがあった。失点の部分はセットプレーだし、何が起こるか分からないのでしょうがない。前の選手が点を取れなかったことが問題。お客さんがたくさん来てくれてホームで決めたかったけど、34節終わって首位に立っていればいい」

 

 

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