卒業 – 金井貢史の完全移籍について [ シリーズ移籍の真相2014 -4- ] (藤井雅彦)
すでに正式リリースがあったように、金井貢史が2014年からサガン鳥栖に完全移籍する。2013年は期限付き移籍という形で鳥栖に籍を置いていたが、今年からは違う。保有権を所持しているのはマリノスではなく、鳥栖となる。これにより、金井はマリノスの選手ではなくなった。
ちょうど1年前にも記したように、そもそもは出場機会を求めての期限付き移籍である。しかし、人生というのはすべてが思惑通りに進まないものだ。シーズン序盤にドゥトラが加入したことで出場機会が激減した12シーズンはリーグ戦16試合に出場し、プレータイムは804分だった。そのうち先発は9試合あった。それが13シーズンは15試合出場575分にとどまった。先発は6試合と、12シーズンよりも減った。チームが異なり、置かれている立場も違うから一概に比較できないとはいえ、出場時間を増やすという目的は達成されなかった。
移籍は出場時間の確保だけが目的ではないだろう。鳥栖に籍を移したことで金井は選手として、そして人間的にも成長したはずだ。リーグ戦でマリノスが鳥栖に乗り込んだ際には、マリノス関係者にしっかりと挨拶して回った。その際、笑顔で「頑張っていますよ」と報告してくれた。ハードトレーニングの賜物か、腰回りが分厚くなり、体幹が強くなったことを印象付けた。それをリーグ戦の場で披露できなかったのは残念でならないが、今後のサッカー人生において決して無駄な時間ではなかった。
昨年末、天皇杯準決勝で鳥栖と対戦し、金井は日産スタジアムに帰ってきた。途中出場の試合では目立った活躍を見せられず悔しい思いをしたが、試合後はミックスゾーンで元チームメイトや関係者、あるいは担当記者と旧交を温めていた。筆者もほかならぬその一人で、金井は晴れ晴れとした表情でこう言っていた。
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