「(マリノスの) 居心地はすごくいいです。みんながチームの勝利を目指している。それが選手の関係が良好な理由だと思います」 [小池龍太インタビュー(後編)]
【小池龍太選手インタビュー(後編)】
実施日:4月14日(水)
インタビュー・文:藤井 雅彦
雨の日も、暑い日も、連戦でも、小池龍太は常に安定したパフォーマンスでチームの力になってくれる。その選手が「ネガティブになった時期がありました」と明かした――。
F・マリノスで戦う理由、F・マリノスだからこそ戦えた理由。
小池が発する言葉に、耳を傾けよう。
頑張る理由を見つけられたのは日々の練習のおかげであり、F・マリノスと周りにいる仲間のおかげです
――小池選手はとてもポジティブな性格に感じます。ご自身ではどのように自己分析しますか?
「日頃から物事をポジティブにとらえるようにしていますし、ネガティブな要素をポジティブな感情に変えるために、ネガティブな要素を細かく分析します。例えば『なぜ試合に出られないのか』、『なぜチームとして結果が出ていないのか』といったネガティブな部分をハッキリさせて、そこからポジティブにできるように努力します。これはキャリアを歩んできたうえで常に大切にしてきた考え方です」
――ネガティブな要素との向き合い方は人それぞれだと思いますが、小池選手はあえて突き詰めて考えるわけですね?
「自分の中にネガティブな要素があるのか、それとも自分だけで解決するのが難しい事象なのかといった部分から考えます。自分で解決できることであれば、目を背けずに最後まで取り組みます。自分以外も含むことでも、年齢を考えると無視することはできません。解決するためにどうすべきかという逆算から自分にできるアプローチを試みます」
――とても合理的で、それでいて自分に厳しく向き合っているのですね
「僕自身はそんな自分を好きでいられているし、好きであり続けるために努力します。そう思い続けられている大きな要因としてF・マリノスとチームメイトの存在があります」
――具体的に聞かせてもらえますか?
「昨年、ベルギーでの海外挑戦を意図しない形で終えることになり、僕自身のメンタルがすごくネガティブになった時期もありました。僕の人生やサッカーで成功を遂げるために『何をしなければいけないのか』をあらためて考え直す時期でした。その時、すぐ近くにいるチームメイトが日々の練習で100%を出し尽くしていて、監督やコーチ、そしてスタッフたちがそれを支えてくれています。そういった姿を目の当たりにして、自分がここにいる理由や何をすべきか答えが出ました」
――小池選手がネガティブマインドになった時期があるというのは驚きです。
「僕は周りにそういった姿を見せたくないタイプの人間です。だからなるべく見せないようにしていましたが、その時は『自分がどうしたいのか』、『何をすべきなのか』といった部分がすごく曖昧になっていました。レノファ山口FCや柏レイソルでプレーしていた当時は『海外でプレーする』という明確な目標があり、それに向かってブレることなくチャレンジできていました。でも、その挑戦が不本意な形で終わった時に、頑張る理由が薄れてしまって不安定な状態になってしまいました。頑張る理由を見つけられたのは日々の練習のおかげであり、F・マリノスと周りにいる仲間のおかげです。僕を必要としてくれたクラブに感謝したいですし、チームメイトに感謝したいです」
みんなが喜べるシーンをたくさん作りたい
F・マリノスに所属している選手は全員がそういった気持ちを持っています
――刺激し合える仲間でありライバルですが、ピッチ外ではとても仲が良いですよね。居心地はいかがですか?
「居心地はすごくいいです。僕たちはお互いを認め合っています。ボス(アンジェ・ポステコグルー監督)がチームの先頭に立ち、どんなサッカーをするのか、何を目標にするのか、といった部分が明確です。それらを目指すために選手たちは積極的にコミュニケーションを取っています。試合に出られる選手、出られない選手はいるけど、みんながチームの勝利を目指している。それが選手の関係が良好な理由だと思います」
――最近はSNSを活用した活動も多いですが、小池選手もしっかり適応し、参加していますね
(残り 1329文字/全文: 3266文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
タグマ!アカウントでログイン
tags: 小池龍太
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ