2021年05月16日 14時54分　
カテゴリ： Jリーグ • レビュー

両チームのサポーター以外も感嘆の息を呑む前半戦

あえて言おう。鹿島アントラーズ戦における前半のマリノスは今季最高のパフォーマンスを披露した、と。

その根拠として、対戦相手の鹿島を褒め称える必要がある。監督交代をきっかけにJ最多タイトルホルダーのアイデンティティを取り戻した強者だった。出足の鋭さ、ボールに寄せる際の迫力、球際の強さ、守備への切り替えの意識とすべてが超一級品のパフォーマンス。11戦負けなしのマリノスといえども、好き勝手やらせてもらえる相手ではなかった。

そのチームに同レベルの強度でしっかり対抗したことが、勝ってきたことによる自信と成長の証だろう。ピッチの至るところで繰り広げられた肉弾戦でトリコロールの戦士たちは一歩も引かずに応戦。弱腰になるどころか、強気にアグレッシブに堂々と渡り合ったことが誇らしい。

先制ゴールも素晴らしかった。相手の一瞬の隙を突いたロングカウンターで、前田大然がハーフウェーライン付近で相手の守備網を打開。右サイドに展開されたボールからエウベルがマルコス・ジュニオールとのワンツーで抜け出し、中央へ。オナイウ阿道がしっかり決めた。

強い相手に強いサッカーで、完璧な崩しから先制ゴールを奪う。しびれる展開にファン・サポーターがおおいに沸いたのは言うまでもない。そしてハイクオリティで駆け抜けた前半は、両チームに肩入れする人間以外が見ても感嘆の息を呑む内容であった。

ひとつのミスが失点となり「勝ち点を落としてしまった」

それだけに前半の終盤に喫した失点が悔やまれる。

チームとしての問題というよりも、相手CKをファンブルしてしまった高丘陽平のシンプルなミスだった。ハイレベルな展開で1点を争う攻防だけに、失点に直結するようなミスが占めるウェイトはどうしても大きくなってしまう。

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