前節の大分戦でメンバー外となった水沼。決勝ゴールを生み出したクロスには、技術だけでなく意地と魂がこもっていた [J17節 清水戦レビュー]
前田が披露した新たな武器は『左足クロス』
体をクルリと反転させる旋回トラップで前を向いたティーラトンがすかさず前方のスペースへ縦パスを送る。このボールに反応して自慢のスプリント抜け出した前田大然がゴール前にクロスを入れた。ファーサイドから走り込んだエウベルはショートバウンドのボールをうまくミートし、開始早々の4分にゴールネットを揺らした。
前田の左足クロスには驚かされた。昨夏に加入してから左ウイングを主戦場とし、今季も3トップ中央と左ウイングで併用されている。しかし「利き足ではないので」と本人が控えめに話すように、お世辞にも左足クロスの精度が高いとは言えなかった。
もっともこのワンプレーについても「どうしても勝ちたいという思いでやっていて、それが自然と自分のプレーに出た」と自然体を強調。左足の練習を特別に続けていたというよりは、与えられたプレーエリアでやるべきことを続けた結果の技術向上だ。
前田はこの試合を終えてU-24日本代表の活動に参加するため、しばらくの間はチームから離れる。ルヴァンカップのプレーオフステージ2試合は不在となり、チームにとっては痛手だが仕方ない。この世代トップのゴール数を記録し、さらに清水戦で披露した左足クロスも大きなアピールになったはず。
東京五輪本大会のメンバー入りに向け、思う存分スプリントしてきてほしい。
途中出場の水沼&レオで決勝点を奪う
幸先よく先制したとはいえ、その後は清水の守備戦術に手を焼いた。なかなかチャンスを作れないでいるうちにサイドを突破されて失点。後半に入ってからもなかなか決定機を作れず、引き分け濃厚かに思われた。
状況を打開して勝ち点3を大きく手繰り寄せたのは、途中出場の水沼宏太とレオ・セアラだった。
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