「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

オナイウ阿道はこれで今季12得点目。 シーズン20得点、そして得点王も十分に視野に入る数字を叩き出している [J22節 福岡戦レビュー]

 

我々は2-0で満足できなくなっている

 

自身が暫定的に指揮を執るようになってから無傷の4連勝を達成した松永英機監督が、落ち着いた口調でゲームを振り返った。

「決定機を決めて3点目を取れなかったことが次第にゲームを難しくした理由だと思う」

 たしかに試合を決定づける3点目の瞬間は最後まで訪れなかった。チャンスは何度もあったが相手GKの好セーブや、クロスとゴール前がほんの少しだけタイミングが合わないなど、さまざまな理由によって2得点で終わった。

しかしながら最後まで攻撃の手を緩めたわけではなく、マリノスのアイデンティティは表現できていた。途中出場の選手たちはそれぞれが持ち味を発揮してピッチに立った意味を示し、違った色でチームに彩りを加えてくれた。

 

 

そして特筆すべきは、2ゴールを奪った過程だろう。

1点目は天野純の右足クロスがオウンゴールを誘った。決して偶然ではないし、相手のミスでもない。マリノスが立ち上がりからポゼッションで押し込み、失ってからも守備への切り替えでプレッシャーをかけた。それによって福岡は自陣に釘付けとなり、奪ったボールを味方につなげない状況に陥っていた。

 

 

 

2点目は小池龍太とエウベルのコンビで右サイドを攻略。エウベルのクロスは素晴らしい精度だったが、外側をオーバーラップすることでDFを引き付けた小池のランニングはもっと素晴らしかった。

 

 

決めたオナイウ阿道はこれで今季12得点目。シーズン20得点、そして得点王も十分に視野に入る数字を叩き出している。ポストプレーには余裕が感じられ、クロスに対して入っていく動きには今までなかった迫力が備わっている。

 

 

気がつけば、我々は2-0で満足できなくなっている。それこそマリノスが進化している証だろう。

 

 

不安があるとすれば主力選手の海外流出

 

ここまで38試合中20試合を消化し、14勝4分2敗で勝ち点46。首位の川崎フロンターレとは勝ち点9差だが、消化試合数はマリノスが1試合少ない。そして最終節には直接対決が待っている。

何を言いたのか、ひとつしかないだろう。

これはチャンスだ。もしかしたら2019年以上にチャンスがあるかもしれない。

 

ヨコエク

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