「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「年齢に関係なく誰よりも活躍したい。そのためには、とにかく試合に出なければいけない」そんな状況のなか、J1昇格を目指すモンテディオ山形から樺山にオファーが届いた [樺山諒乃介インタビュー後編]

前編よりつづき

 

 マリノスから正式発表があったように、樺山諒乃介がJ2・モンテディオ山形へ育成型期限付き移籍することが決まった。

 そこでヨコハマ・エクスプレスでは7月上旬に行ったインタビューの後編を、特別にコラム形式でお届けする。

 

 

 今季のリーグ開幕戦でプロデビューを飾り、ルヴァンカップで3ゴール。着実に結果を残し、さらなる成長を目指して東北の地へ武者修行の旅に出る。

「誰かの下になるのは好きじゃない。どの年齢でも誰よりも活躍したいと常に思っている」

 もはや18歳という年齢で彼を括るのは失礼だ。

 樺山らしく、自身の思い描く理想に向かって突き進むのみ。

 

©Y.F.M

 

わずか半年という時間だが、取材機会のたびに強い印象を残す。それが樺山諒乃介だった。

強気に、ストレートに。自身の欲を隠そうとはせず、熱を帯びてくると関西弁が痛快に響き渡る。

 

 

「昔からずっと一番になりたい、一番活躍したいと思いながらやってきました。F・マリノスは日本一のクラブだと思っています。素晴らしい先輩がたくさんいるので、サッカー選手として盗めるところはすべて盗みたい。それをやらなかったらF・マリノスにいる意味がないし、もったいない。自分は海外に行って活躍したいという気持ちが強いので、とにかく早く成長したい」

 小学校3年生で始まったサッカー人生。当初は数ある遊びの延長線上に過ぎなかったが、2010年の南アフリカワールドカップで日本代表が躍動する姿を見て、本格的にのめり込んでいった。

 

 

それ以降、常にグループの先頭に立ち、自他ともに認める実力と才能をいかんなく発揮してきた。少年時代を回想する樺山は自然と頬を緩めた。

「もともと目立ちたいタイプなんです。学校でもうるさいタイプでした(笑)。何をしていても目立ちたくて、サッカーで活躍すれば周りの人に褒めてもらえました。自然と海外でプレーすることが自分の夢や目標になっていきました」

 

 

しかし、年齢の垣根を超えてプロの世界へ飛び込めば、誰でも壁にぶつかって当然だ。すぐにナンバーワンになれるほど甘い世界ではない。樺山自身、「まだまだ力が足りなかった」と認めたこの半年間が次のステップに向けた足掛かりとなる。

「これまでのサッカー人生でこんなに試合に出られない経験は初めてでした。自分にとってはある意味の挫折だったかもしれません。簡単に夢目標を叶えることができないのは分かっていたけど、自分は年齢に関係なく誰よりも活躍したい。そのためには、とにかく試合に出なければいけないと思っています」

 

 

そんな状況で、J1昇格を目指すモンテディオ山形からオファーが届く。

 

 

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