「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「引退したサッカー選手はみんな『悔いはない』と言うけど、あれはたぶん嘘です(笑)。だって『後悔のない人生なんてつまらんやろ』って」[小椋祥平インタビュー(vol.3)]

 

トリコロールを纏った男たち

 【小椋祥平インタビュー(vol.3)】

インタビュー・文:藤井 雅彦

 →Vol.2よりつづく

 

3回で構成した小椋祥平インタビューの最終回を掲載する。

前回はマリノス加入直後の秘話を思う存分語ってもらった。

本稿はその続きで、木村和司監督に重宝されて数多くの試合に出場した時期を中心に、当時の思い出を振り返る。

「在籍した7年間で横浜を満喫しました」

嘘偽りのない言葉とともにマムシが微笑んだ。

 

 

――マリノス2年目の2009年はレギュラークラスの選手としてリーグ戦26試合に出場しました。1年目の苦労が実を結びましたね

2008年が終わったタイミングで複数年契約を結んで、年俸も上がりました。試合に使ってもらう機会が増え、とにかくガムシャラにプレーしていました。

 その頃、車を買い替えるタイミングがあって、マツさん(故・松田直樹)に相談したんです。最初は身の丈に合った価格の車にしようと思っていたんですけど『国産車に乗っている選手は子どもに夢を与えられないだろ。サッカーをやっているオレたちがいい車に乗って、いい洋服を着るから、それを見た子どもたちがサッカー選手を目指して頑張るんだ』と言われました。その言葉が自分の胸に突き刺さったので、奮発してBMWを買いました(笑)」

 

――木村和司監督が就任した2010年は出場停止の3試合を除く31試合に先発し、押しも押されもせぬレギュラーに

「守備だけでなく攻撃にも興味を持ち始めた時期で、少しずつサッカー選手らしくなっていった時期だと思います。和司さんは“ちゃぶる”というワードを使っていましたが、最初は意味が分からなかった(笑)。それに就任直後のプレシーズンキャンプで自分や(河合)竜二さんはサブ組に入っていて『やばいな』と話していました。でも、なぜか開幕戦からずっと使ってもらって、自分の中でも徐々に和司さんの伝えたい意図を理解できていった気がしました」

 

 

――“ちゃぶる”という言葉をどのように解釈したのですか?

 

PREMIUMコースとは

(残り 2653文字/全文: 3530文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

tags: 小椋祥平

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ