「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

チームが勝利し、自身がゴールを決め、反省材料まで手に入れた。 杉本にとってこれ以上の日はない [J18節 名古屋戦レビュー]

 

まさしくアンタッチャブルな存在

 

マルコス・ジュニオールがいよいよエンジン全開だ。

これで3戦連発となる今季6ゴール目。来日1年目の2019年にも一度記録した3戦連発で、2020年にも自身にとっての出場機会3戦連発があった。1年目は15ゴールを挙げて得点王に輝き、2年目は過密日程に苦しみながらも11ゴールを挙げた。

 

 

卓越した得点能力は、動かぬ数字が実証してくれている。チーム状況や試合展開にかかわらずゴールネットを揺らす能力は、まさしくアンタッチャブルの存在と呼ぶにふさわしい。

名古屋グランパス戦でのゴールはPKだったが、だからといって価値が下がるわけではない。落ち着いてGKの反対を突いたキックもさることながら、対応したDFのファウルを誘うドリブル突破が素晴らしかった。PK獲得のドリブル突破とPK成功は太い線でつながっており、分けて考えるものではない。

 

 

加えて前線からの守備でも存在感を発揮した。チームに加わって日の浅い杉本健勇を導くように率先してプレスに走り、相手の最終ラインや時にはGKにも果敢に詰め寄った。守備のスイッチを入れたのではなく、スイッチ役になる働きでチームを助けた。

好調の秘訣についてマルコスは「試合前、家にいる時や移動中に集中することを考えていて、ファウルやレフェリーのジャッジを気にするなと自分に言い聞かせてやっている。ネガティブな熱さを消してプレーすることがうまくいっていると思う」と冷静な口調で語った。以前は持っている闘志が悪い方向に出てしまうこともあったが、フォア・ザ・チームに徹した時の背番号10は誰よりも頼もしい。

 

 

逆転優勝への道のりを突き進むために、マルコスはチームのために戦う。「ゴールを決めているのはチームのためにプレーしている結果。毎試合チャンスがあるわけではない。チャンスがたくさんある試合もあるし、1回もない試合もある。少ないチャンスでも決めていきたい」とさらなる意欲を見せていた。

 

 

初先発初ゴール。その一方で改善点も

 

もう一人触れずにはいられない選手がいる。マリノス移籍後初先発でマリノスでの初ゴールを決め、それが決勝点になった杉本健勇だ。

 

 

 

 

ヨコエク

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