口癖は「自分は強化部の人間としては素人」。 潤滑油となり、人を尊重しながら調和を図る小倉SDが退任へ
マリノスは9日、小倉勉スポーティングダイレクター(以下、SD)が今シーズン限りで退任することを発表した。
小倉SDが横浜F・マリノスの一員になったのは2017年初めのこと。
当時、チーム統括本部長を務めていた利重孝夫氏の要請を受け、Jクラブや日本代表などで培ってきた幅広い経験をアシスタントSDという立場で還元する働きを期待されてフロント入りした。翌年の2018年9月にはアイザック・ドルSDの退任によって空席となっていたSDに就任した。
監督、コーチなど現場での指導歴がキャリアのほとんどを占めていた小倉氏にとって、フロント側の人間として過ごした5年間という年月は自身最長だ。
口癖は「自分は強化部の人間としては素人」だった。
強化部としての経験が不足していることを認めた上で、選手やスタッフとのコミュニケーションを積極的に図る。さらに解説者としての経験を生かし、監督や社長に代わるスポークスパーソンとしてメディアへの配慮も欠かさなかった。
小倉SDなりの“仕事の流儀”は、2019シーズンの優勝直後に行ったインタビューでも明かしてくれていた。
「人の上に立っているとは思っていない。肩書きとしてスポーティングダイレクターだけど、自分ひとりでは何もできない。みんながチーム統括本部(強化部)に必要な人たちで、自分がそれをマネジメントする立場になっているだけ。意識しているのは組織がうまく機能するための潤滑油になること」
強い個性でグループを引っ張るタイプではなく、人を尊重しながら全体を調和させていくことに長ける優しいリーダーだった。
その一方で、最近になってからは離れて久しい指導者への欲が再び増していたことを明かす場面も。
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