「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「自分はあまり強化部という意識でやっていなくて、現場がやりやすい状況を作ることを考えていました。上司や部下というよりも仲間という意識が強かったです」(小倉勉SD)

 

今季限りで退任する小倉勉スポーティングダイレクター(小倉SD)がメディアへのあいさつを兼ねて囲み取材に応じた。

 

 

着任前は監督やコーチなど現場での指導歴が長かった。その経験は強化部という裏方の立場でどのように生きたのか。

「あまり強化部という意識でやっていなくて、現場がやりやすい状況を作ることを考えていた。僕が評価すると決めるというのではなく、彼らどうしたらやりやすいかを考えていました」

 常に選手やスタッフと良好な関係性、距離感を築き、それこそが小倉SDが持つ最大の強みだった。

主に小倉体制で戦ってきた5年間は、クラブとしてチーム統括本部の強化に力を注いだ時間でもある。

「(強化部としては)知らないことだらけでした。でも僕をサポートしてくれていたチーム統括本部のメンバーはそれぞれに強みを持っています」

 

 

築き上げてきたロジックやノウハウは、小倉SD退任後もクラブのフィロソフィーとして生き続ける。

そして、マリノスの今後にも期待を寄せた。

「F・マリノスに関わった人間として頑張ってほしいと思っています。このクラブには素晴らしいファン・サポーターがいます。降格の危機に瀕した2018年は皆さんに勇気づけてもらえて、そのおかげで5年間もこの仕事ができました。2019年の最終戦にはあれだけのお客さんがスタジアムに足を運んでくれました。F・マリノスにはポテンシャルがある」

 小倉SDとの共闘は3試合を残すのみ。

3連勝という花を添えて、勇退の舞台を飾りたい。

 

 

 

[コメント]

小倉 勉 スポーティングダイレクター

――F・マリノスで仕事をした5年間で一番の思い出は?

「自分は2018年に降格の危機に瀕しているタイミングでスポーティングダイレクターという肩書きになったけど、その時にファン・サポーターの皆さんやスポンサーの皆さんにすごく勇気づけられました。それがあったから今までこの仕事をやり続けられたと思うし、そのサポートがなかったら2019年の優勝はなかったと思います。だから2018年が一番記憶に残っている思い出です」

 

 

――これまでのキャリアでは監督やコーチといった現場での指導キャリアが長かったと思う。5年間、裏方の強化部として仕事をして新鮮に感じた部分は?

「知らないことだらけでした。でも僕をサポートしてくれていたチーム統括本部のメンバーはそれぞれに強みを持っています。スタッフひとりが良くても、選手ひとりが良くても、それだけでは結果は出ません。それぞれの強みを生かせたことが良かったと思います。自分自身は5年間あまり変わっていないと思うけど、みんなの良さを組み合わせることができたなら良かったと思います」

 

――2021年はどんなシーズンだった? 監督交代や選手の移籍などもあったが

 

ヨコエク

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