「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

激戦必至。 トリコロールの誇りにかけて、勝利をつかみ取れ [J最終節 川崎戦プレビュー]

 

開幕戦のリベンジマッチへ

 

明るい未来を切り拓くために、勝ち点3がほしい一戦だ。

前節のヴィッセル神戸戦を勝利したことで、今シーズンの順位は2位で確定した。37試合を消化して24勝6分7敗という成績は立派の一言。総得点81は優勝した川崎フロンターレを上回る数字である。

優勝を逃したという事実だけでこれまでの歩みは色褪せることなど、ありえない。たしかに終盤戦は苦しむ試合が多く、星取勘定で後手を踏む時期もあった。しかし長いリーグ戦はいつもトータルで評価されるべきで、得失点差+47がマリノスの強さを端的に示している。

もちろん上には上がいることを認めなければいけない。フロンターレとの勝ち点差を考えると、完成度や柔軟性に少なからず差があった。思い返せば開幕戦を0-2で落とした。当時の結果と内容が、そのまま最終勝ち点差に表れたように思う。

当時との違いを見せなければいけない。あの敗戦を経てマリノスは原点回帰を図り、少しずつバージョンアップを施してきた。アンジェ・ポステコグルーからケヴィン・マスカットにバトンが渡っても方向性を変えることなく、少しずつ地力を積み上げてきた。

 

 

畠中槙之輔の負傷離脱はたしかに痛かったが、ボランチからスライドした岩田智輝が懸命に穴を埋め、手薄になった中盤の底では渡辺皓太が一皮剥けようとしている。ピンチはチャンスで、マリノスのチーム全員で戦っている。

 

 

神戸戦で今季2点目を挙げて上げ潮状態の仲川輝人は「川崎フロンターレは攻撃力があって守備力もあるけど、それをこじ開けたい」と闘志を燃やした。観客動員ルールが緩和されて3万人以上の集客が見込まれる日産スタジアムで、マリノスらしい爽快なアタッキングフットボールを期待したい。

 

 

 

やる気満々の松原健の登場を待ちたい

 

前節から大きなメンバーチェンジはないだろう。

そして松原健に今度こそ出番がやってくるのか、密かに注目している。

 

 

神戸戦では2-0となって迎えた最終盤に出番が訪れそうになった。だがマリノスはすでに3回の選手交代を終え、交代枠1枚を残したまま試合終了することが確定していた。

マスカット監督に名前を呼ばれた松原はウォーミングアップを終え、ユニフォーム姿に。同じ頃、松永成立GKはいつも通り交代用紙を第4審判に提出する。しかし「交代回数はもう終わっています」と指摘されてしまう。

松原が照れ笑いを浮かべて振り返った。

 

ヨコエク

 

「最近は試合に出ていなかったし、後半が始まる時に出番があるかもしれないと言われていた。それに向けて早めにウォーミングアップをスタートしていたので、交代の回数を考えていませんでした。浦和戦でも交代枠を1枚残していたので、最後にチャンスがあるかなと」

 

 

自身の勘違いに気がついたマスカット監督は松原に「完全にオレのミスだ」と謝ったという。鼻息を荒くして出番を待っていた松原が肩透かしを食らう結末になってしまったが、チームが勝ち点3を手にしたことですべて水に流そうではないか。

「ユニフォームになっていたから恥ずかしかった。でもいつでも試合に出る準備をしていることを示せたというか、やる気満々だった」

 

 

最終節でリベンジの機会は訪れるのか。

最後の試合もマリノスは総力戦で臨む。先発の11人、ベンチに座る7人、そしてメンバーに入れずスタンドから見守る選手全員で打倒・川崎フロンターレを実現させる。

タイトルはかかっていない。でも、誇りをかけた戦いだ。

 

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