「来季開幕戦での復帰は、目標ではなく照準」。 畠中槙之輔の視線の先に公式戦の舞台が見えてきた
負傷した瞬間、嫌な予感がした。
でもこんなにも長期離脱になるとは想像できなかった。
畠中槙之輔があの日を回顧する。
「コンディションも良かったですし、予期せぬケガでした。ただ痛みがすごかったので試合続行は無理だな、と。感覚的に筋肉系のケガなのは分かりましたし、1~2週間で復帰するのは難しいことも想像できました。5~6週間くらいの離脱は覚悟していました。でも検査をしたら手術が必要で全治6ヵ月見込みと診断で。気持ちが落ち込むというよりもビックリしました」
聞けば小学校6年生の時に負傷した箇所だという。それから10年以上が経ち、次第に筋肉と骨の付け根が弱っていった。その間、違和感がまったくなかったわけではない。もっと早い段階で手術を行い、不要な骨を取り除く選択肢もあった。ただし、その場合は復帰までに約半年かかることも告げられていたため、患部とうまく付き合いながらプレーを続けてきた。
チームは喜田拓也キャプテンの発案により、9月11日のサンフレッチェ広島戦で畠中へのメッセージ入りTシャツを着てウォーミングアップを行った。
「すごくうれしかったです。その試合にしっかり勝ってくれて、元気をもらいました。過ぎたことはどうにもならない。早くサッカーをやりたい。そのためにリハビリを頑張ろうと気持ちを切り替えました」
もうひとつ。約10日間の入院中、大きな助けになったのが緒方圭介ホペイロの存在だ。2日に1回のペースで病院へ足を運び、身の回りの世話をする。選手が試合や練習で100%の力を発揮できるように普段から身を粉にして働く緒方だが、それは入院中の畠中に対してもまったく変わらなかった。
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