「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「F・マリノスは自分が成長するために最高の環境です。気持ちと頭の中をリフレッシュして、来年は開幕から最後まで充実したシーズンにしたい」 [松原健インタビュー前編]

【松原健選手インタビュー(前編)】

インタビュー・文:藤井 雅彦

 

 

 

ケニーこと松原健がヨコハマ・エクスプレスの独占インタビューに応じてくれた。

今年3月に自身2度目となる日本代表に選出され、念願の代表キャップを刻んだ。

しかしシーズン中盤以降は思うように出場機会を得られず、ライバルの小池龍太を追いかける立場に。

「悔しいシーズン」で松原が見たモノ、感じたモノとは。

激動の2021年を振り返りながら、視線は自然と2022年へ向いていった。

 

©Y.F.M

 

 

チームにフォーカスできるようになった自分がいる

 

――2021シーズンが終わりました。松原選手個人の成績を振り返ると、22試合に出場して先発15試合、途中出場7試合、1,399分のプレータイムで1得点を挙げました。この数字を振り返っていかがですか?

「先発15試合という数字には満足していません。交代枠が増えた影響や連戦という事情はありましたが、サイドバックは途中交代が少ないポジションです。だから先発した試合で何を見せられるかがとても重要でした。悔しいシーズンだったと思います」

 

 

 

――その中でも成長や手ごたえを感じられた部分を挙げるとすれば?

「メンタル面は少しずつ成長できているのかな、と。その時々の状況に一喜一憂しなくなったというか、落ち込む回数も減りました。試合に出られなくてもチームのために何ができるかを考えて行動していました。自分にフォーカスすることは大切ですが、横浜F・マリノスの一員としてチームにフォーカスできるようになった自分がいました」

 

――年齢を重ねて人間として心が豊かになっているのは素晴らしい変化です。

「試合に出られないという意味では、一昨年も似たような状況がありました。その時の感情に比べるとだいぶ穏やかになりました(笑)。当時の経験を生かして、試合に絡めていない選手がどれだけ周りのことを考えて行動できるかによってチームの雰囲気が決まります。結果的に優勝には手が届かなかったけれど、優勝争いした末の2位で終われた要因としてチームワークの良さは大きなポイントだったと思います」

 

 

 

――まさしく成長ですね?

「でも、これが一概に良いとも言えないのがチーム競技の難しいところ。2年前のようにもっとギラついても良かったかもしれないですし、人間が丸くなっちゃったのかな(笑)。プロサッカー選手として厳しい世界で生き抜くためには、ある程度の“我”が絶対に必要です。その上でチームのため、チームメイトのことを考えて行動できるのが一番良い。個人的にはプレー面でもっと自分の良さを出したかったです」

 

 

 

――自分の良さを出し切れなかった要因をどのように分析していますか?

「リュウ(小池龍太)のパフォーマンスが高かったという前提があって、自分がそれを超えられなかったことが一番の要因です。ライバルは常にいるので、自分がさらに進化しなければ個人成績を残すことはできません。過去の実績は過去の話で、自分の年齢を考えると下からの突き上げが来るのは当然のこと。自分は今までの経験を強みに変えて、さらに進化しなければいけないと実感したシーズンでした」

 

 

自分はリュウを意識して、比べてしまいます

 

――3月には2014年以来、7年ぶりに日本代表に選出されました。自信になる出来事だったのでは?

「本当に日本代表に選ばれたのかな、と思うくらい遠い昔の出来事に感じます。シーズン当初を振り返ると、開幕戦こそベンチスタートでしたけど、途中出場でもモチベーション高くプレーできました。ただ、その後はケガや監督交代もあって出場機会が減ってしまい、シーズン序盤の自信をキープできなかった部分があります。もともと波が大きいタイプではあるので、試合に出られない状況で心身のバランスが難しい面はありました」

 

 

――日本代表として初キャップを刻んだモンゴル戦をあらためて振り返ると? F・マリノスでのパフォーマンスをそのまま発揮できているように見えました。

 

 

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