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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

持てる力をすべて出し切ってもない敗戦について議論する価値は、あまりない[J13節鳥栖戦レビュー] (藤井雅彦)-1,703文字-

 

勝つには理由があり、負けるには原因がある。サッカーはたしかに運に左右されやすいスポーツだが、結果すべてを幸運と不運で片付けてはいけない。それをした瞬間、進歩や成長はなくなり、反省する意味もなくなる。

4-4-2_藤田_伊藤_中村不在 スタメン表を見て、正直驚いた。筆者の予想スタメンは練習風景を起点に、監督をはじめとするスタッフ、そして選手たちへの取材を元に作成している。ご存知のとおり的中率100%ではなく、そんなときは取材不足を痛感させられるものだ。

サガン鳥栖戦の先発メンバーは、試合2日前の木曜日に行った紅白戦1本目から2人を入れ替えた11人だった。ボランチには高さ対策で起用されるかに思われた富澤清太郎ではなく小椋祥平が入り、右SBは小林祐三から奈良輪雄太にスイッチされていた。それを決めたのは、もちろん指揮官である樋口靖洋監督だ。

30人近くで編成されるチームにおいて、残念ながら全員が主力級の力を持つことなどありえない。不動のレギュラー、レギュラークラス、そして現状では試合出場が難しそうな選手といった具合に区分される。Jリーグの規模で全員がレギュラークラスの実力を持つチームなどない。

いま、マリノスには不動のレギュラーがほとんどいなくなってしまった。開幕から全試合先発出場しているのはGK榎本哲也と両CB中澤佑二、栗原勇蔵の3選手のみである。鳥栖戦では昨シーズンの不動のレギュラーが5選手もベンチに座っていた。中村俊輔、富澤清太郎、中町公祐、小林祐三、そして兵藤慎剛。ちょっと前では考えられなかったことが実際に起きている。

 

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もちろん11人だけで長いシーズンを乗り切れるはずもないが、かといって毎試合のようにメンバーを入れ替えて戦いぶりが安定するわけがない。そして最近は必ずメンバー変更が行われる。負傷や出場停止ならば仕方がない。だが、実際は違う。

ガンバ大阪戦でリーグ戦8試合ぶりの勝利を飾り、そこから1週間のインターバルがあった。それなのに左SB下平匠は不可解なターンオーバーの対象となり、ベンチからも外れた。さらに翌日の明治大との練習試合には出場するのだから首を傾げざるをえない。

鳥栖4-2-3-1 小林はガンバ戦で左足甲を裂傷し、鳥栖戦に向けた練習の過程で一部別メニュー調整になっていた。だが、それも火曜日だけの話で試合出場に支障はなく、木曜日の紅白戦でもしっかりプレーできていた。出場可能であることはベンチ入りしていたことからも明らかだろう。しかし鳥栖戦ではベンチスタートとなり、出番はやってこなかった。

必要以上に選手を入れ替えるあまり、チームは方向性を見失っている感が強い。そうでなくても前節からシステムを[4-4-2]に変更し、軸足が定まっていない状況なのに、さらにメンバーを毎試合のように入れ替えれば安定しなくて当然だ。対戦相手の性質を見極めた人選も時には必要だが、それ以前にチームにスタンダードが存在しなければならない。

いま、選手たちはある意味で戦々恐々としている。選手を入れ替えて結果が出なければ、その選手が戦犯となる。それだけではない。勝ってもなぜか次の試合に出場できない場合まであるのだ。もはや苛立ちではなく、不思議でしかない。次の川崎フロンターレ戦が終わると中断期間に突入するが、その試合でも間違いなく鳥栖戦からメンバーの入れ替えがあるだろう。

どんなに戦力が充実したチームでも、これでは結果が出なくて当たり前だ。チームが持てる力をすべて出し切ってもいない敗戦について議論する価値は、あまりない。

 

 

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