「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「少しは借りを返せた、全然足りないけど」「今日唯一できなかったのは学がゴールできなかったことだけ」(栗原)+齋藤・伊藤・藤本・三門・中澤他 [川崎戦後コメント] -2,699文字-

【試合を終えて】

FW 16 伊藤 翔

「(ゴールにつ いて)あれは常に狙っている。ボールが来てくれて良かった。こぼれ球じゃなくても(齋藤)学がパスを出せる位置にいたと思う。それがたまたまボールが来た ので、押し込むだけだった。今日は相手の疲れとかいろいろな要素があったと思うけど、相手がやりたいサッカーを出させないことはある程度できた。今日に 限ってはいい形で守れた。今日は僕に関しても、僕以外でも決定的な場面が多かった。そうなればゴールの数も増えていく。自分は毎試合のようにこぼれ球を 狙っているけど、最後に(中澤)佑二さんがあんなスーパーゴールを決めるのはなんか…(苦笑)。今日は勝ち点を落とせない状態だったけど、それは自分たち で追い込んだこと。でもコツコツ勝ち点3を積み上げていくことしかできない。中断明けもこれを続けていきたい」


樋口 靖洋 監督

「中断前の最後の試合ということで我々にとっては大事なゲームだった。今日は本当にいろいろな想いを選手がパワーに変えてピッチで表現してくれた。一つは川崎Fという相手だということ。それからこの等々力での試合。それから我々の置かれている順位。これを改善するためにはパワーが必要で、そういったことを選手たちがパワーに変えてくれたゲームかなと思う。スコア的にも我々がやるべきプレー、チームとしての狙い、これが本当に良くできた試合だった。ここまではアグレッシブさであるとか、躍動感であるとか、あるいはチームの前に行くパワーであるとか、そういったところがなかなか表現しきれないゲームが多かった。今日のゲームを一つのスタンダードにして、再開後さらに巻き返しを図れるようにしたいと思う。
(得点力の改善について)[4-2-3-1]のシステムをベースにしながら、ちょっと前に行くパワーがチームとして作れない。その中で[4-4-2]を試しながらやった。これはシステムがパワーを生むということではないと思う。選手の前へ行く意識であるとか、ランニングの距離であるとか、そういったところを出す狙いだった。チーム全体で前に行く意識付けというのを、まずは中断期間のキャンプでやらなければならない。それともう一度フィジカルを全体に上げたい。今シーズン、過密日程やACLが早めに始まるということで、自分の反省としてはチーム作りに重点を置きすぎて、選手の個々のコンディションが上げきれなかった。リセットできる期間を有効に使って、もう一度選手が身体的にフィットして100%の状態に上がれば、その攻撃のパワーを作れると思う」
(W杯で齋藤学に期待することは)「正直、今日1点取っていけと思っていた。再三仕掛けからチャンスを作っていて、最後は打ち切れないところでパスを選択したりとか、パスを選択した方がいいところで打ったり、そのあたりは気負いがあったのかなと思う。ただ、彼の持ち味である仕掛けるところ。これは、僕は世界でどのくらい通用するのか本当に見てみたいと思っているし、彼は本当にジョーカー的にどの場面で出ても仕事をしてくれる選手だと思う。そういったところで日本の力になることを期待している」

下バナー

DF 4 栗原 勇蔵

「相手は疲労も あったと思うし、こういう展開になると頭で考えてしまうもの。ウチとしては最高の形で勝てた。今日唯一できなかったのは(齋藤)学がゴールできなかったこ とだけ。それができればパーフェクトなゲームだった。去年悔しい思いをした場所だけど、いまのチーム状態はそんなことを言っていられない感じで、とにかく 勝つしかなかった。少しは借りを返せた、全然足りないけど」

MF 26 三門 雄大

「疲れた。相手も疲れていたけど(伊藤)翔や(齋藤)学、(藤本)淳吾さんが中村憲剛さんに注意して後ろからでもしっかり追ってくれた。いままでにないコンパクトさで守れた。ただ今日の相手だからうまくいった部分はある。相手が前からプレッシャーをかけてきてもボールを回せないといけない。鳥栖くらい来られると嫌なもの。今日くらい引いてくる相手には落ち着いてボールを回せる。相手にボールを持たれたときにすぐ奪い返せないときは一度引く。サイドからのクロスならウチは守れるのでバイタルエリアでフリックさせないように守った」

DF 22 中澤 佑二

「(ゴールについて)僕は基本的にはカウンターで戻る要員だった。前で(大久保)嘉人がフラフラしていて、カウンターを受けるのが嫌だった。でもボールが来たから蹴るしかない。無我夢中で。でも3点目だから(苦笑)。立ち上がりに集中していなくてピンチもあった。あそこで失点していたら分からなかった。相手の状態もあまり良くなかったし、ベストな状態だったら分からない。ただ勝って中断期間を迎えられるのは良いこと。(齋藤)学は代表でも今日くらいのびのびやってほしい。すごいメンバーだけどドリブルは良いものを持っている。点に絡んでほしい。(大久保)嘉人はJリーグ代表として頑張ってほしい。スタメンは海外組が多い中で彼が良いプレーをすればJリーグの価値も上がる。Jリーグの選手でも世界でやれるところを見せてほしい」

MF 11 齋藤 学

「チームが勝ったことが一番。相手はACLがあって疲れていたと思うし、それは自分たちも経験している。でも、しっかり圧倒して勝てたのはマリノスとして良かった。大きな勝利だった。去年の最終節の悔しさがこれで晴れるわけでじゃない。でもこの地でまた負けるわけにはいかなかった。今日は自分のところで変化をつけたかった。最初のシュートもそうだし、自分のところから仕掛けたかった。守備でもフロンターレに何もさせなかった。(2点目につながったドリブルについて)ファウルっぽかった(笑)。でも(伊藤)翔くんがいい位置にいてくれたし、それが今日のマリノスの良いところだと思う。あとは両CBで2点取るという変な感じだったけど、セットプレーはマリノスの強みでもある。いまの順位にいるチームじゃない。マリノスを代表して大きな舞台に行ってきたい」

MF 25 藤本 淳吾

「ディフェンスの部分で相手に縦のくさびのパスをあまり入れさせない意識を全員が持って戦えた。ディフェンスの対処は良かった。セットプレーで先制点を取れたのも良かったと思う。相手は11連戦の最後で、その影響も少しあったかもしれない。相手は後半から(中村)憲剛くんがトップ下に入る[4-2-3-1]になったけど、自分たちも少しラインを下げて守れた。ボールは回されていたけど自分たちの前で回されていただけ。それをピッチの中で自分たちで判断できた」

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ