「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

アンデルソン・ロペスは絶対能力値が高い。 この選手から逆算してチーム作りをするのも一考だろう  [開幕直前最新序列 (MF&DF編)]

前編からつづく

 

 

『開幕直前最新序列』の後編では、MF&FWにフォーカスする。

中盤の底を争うのはMF登録4選手とDF登録の岩田智輝だ。基本システムは4-3-3でダブルボランチを採用するため、5選手で2席を争うにことになる。

レギュラー最右翼は喜田拓也。言わずと知れたチームリーダーで、戦術理解度において他の追随を許さない。もともと備わっている自己犠牲と利己の精神はアタッキングフットボールにおいて必要不可欠。前線に外国籍選手が多く並ぶ布陣ならばなおさらで、扇原貴宏が抜けたチームをけん引するのはこの男しかいない。課題とされているオフェンス面については日々のトレーニングからしっかりと向き合っており、ピッチ上で成果を表現できる日もそう遠くないだろう。

 

 

それを追うのが今季から背番号6に変更した渡辺皓太だ。年始には日本代表候補合宿に参加したようにチーム内外からポテンシャルを高く評価されている。「自分に対して良い意味でプレッシャーをかけたかった」と明かした背番号変更の理由は、自分自身をひと回り大きくさせるための手段に他ならない。絶対的な選手になれるかどうか、今季はターニングポイントのシーズンである。

 

 

徳島ヴォルティスから完全移籍で加入した藤田譲瑠チマもポテンシャルではひけを取らない。キャンプでは球際の強さや展開力といった長所を披露し、アグレッシブさも兼ね備えている。編成としては喜田と争うキャスティングで、今後は背番号8からポジションを奪えるかが焦点に。高額な移籍違約金がかかっている選手でもあり、クラブからの期待値は高い。

 

 

ルーキーの山根陸もまったくのノーチャンスではなさそう。宮崎キャンプ序盤は渡辺が日本代表候補合宿で不在のため、フォーメーション練習でも本職のボランチでプレーできた。こういったラッキーを評価につなげられる選手がこの世界で生き残る。シュートへの意識も高く、あとはすべてにおいて精度がほしい。

 

 

そして、岩田である。センターバックの総評と同じように、ここでも彼が持つ能力は上位に位置している。フィジカル能力の高さをベースに、相手ゴールへ飛び出すスケール感も素晴らしい。チーム事情を考えなければボランチに固定したい人材だけに、ケヴィン・マスカット監督の起用法に注目が集まる。

 

 

続いて、トップ下はマルコス・ジュニオール、吉尾海夏、そして樺山諒乃介の3選手。

背番号10の優位は動かない。中盤でフリーになる能力に優れ、さらに相手ゴール前ではストライカーの働きもできる。指揮官からの信頼も厚く、順当に開幕スタメンに名を連ねるだろう。

 

 

吉尾は3年間の武者修行を経て、自信を身につけた。「今、F・マリノスの選手としてグラウンドに立っているのは、4~5年前とは別の吉尾海夏です」。実に頼もしい言葉で、期待感は高まる一方だ。そして復帰の際にトップ下での起用を強化部から伝えられている樺山。本人も前向きな考えを示しているだけに、あとは自慢の得点能力で存在感を発揮したい。現状はトップ下の3番手だが、シーズン開幕後のアピール次第で序列を変えることも可能だ。

 

 

ウイングは純然たるウインガーとして水沼宏太、仲川輝人、エウベル、宮市亮がいて、そこにアンデルソン・ロペスも加わってきた。

 

 

ヨコエク

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