FW 16 伊藤翔ロングインタビュー(2/3) 「大宮戦でのシュートのようなスーパーゴールが常時出せればいい」 -2,091文字-
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「マルキーニョスを意識していた」
伊藤翔は躊躇なく、そう口にした。昨シーズンまでF・マリノスに在籍し、いまもなおJリーグトップクラスの外国籍ストライカーだ。伊藤がポジション争いを制してFWの定位置を獲得しても、今度はその偉大なストライカーと比較される運命にある。
期待とプレッシャー、そして信念。言葉の端々に、彼のアイデンティティが垣間見える。
インタビュアー:藤井 雅彦 カメラマン:星 智徳
――昨シーズンのF・マリノスにはマルキーニョスというJリーグ屈指のFWが在籍していたけど、彼の存在を意識することはある?
「加入してすぐの頃は少なからず意識していましたよ。加入前やシーズン最初は、去年16ゴールも挙げたFWへの意識がなかったと言えば嘘になる。自分は自分とはいえ、ね。リーグ戦で開幕3連勝していた頃は自分も点を取れていて、数字の比較を意識した部分もありました。でも、そのあとチームが勝てなかったり、自分もなかなかゴールできない状況が続いた。そうなったら、逆にそんなことはもう忘れていましたね。
あとはシーズンが終わったときに去年いたFWと比較して自分が何点取れているかが評価の対象になる。もちろんチームの成績も同じことです。だからチーム状況が難しくなってからは、いかにその状況を打開するかしか考えていませんでした」
――周囲からの期待の大きさを感じる?
「正直言うと、加入前の時点では周りからどれだけ期待されているのか分からない部分がありました。F・マリノスに移籍する前はエスパルスでプレーしていたわけだけど、自分のプレーの特徴を詳しく知っているサポーターはあまりいなかったんじゃないかな。だからここまでのパフォーマンスが期待より上なのか、それとも下なのかは自分では分からない。それでも確実に言えるのは、FWという立場でこれだけ試合に出場させてもらって、3点しか取れていないことには満足していないということ。周りの選手との距離感の問題や対戦相手があったにせよ、その中でもっと点を取らないといけない」
――1トップに求められる仕事の多さに困惑したことはある?
「どのチームでプレーしていても1トップという役割は基本的に仕事が多い。清水のときも同じようなシステムでプレーした経験があって、個の力でどうにかしなければいけない局面も多かったですから。清水での最後のシーズンは2トップの一角だけど少し下がり目のポジションをやっていました。相棒があまり守備をしない選手だった(苦笑)ので、そのぶんも自分が走り回らないといけないことも多かったです。そういった経験はF・マリノスでのプレーにも生きていると思いますよ」
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