華麗なオーバーラップや正確なクロスだけがすべてではない。 松原健はマリノスが勝利するためにピッチに立つ
松原健が在籍6年目のシーズンを戦っている。
途中で他チームへ籍を置いていた水沼宏太や仲川輝人を除くと、喜田拓也に次ぐ2番目の古参戦士だ。
約1ヵ月前、3月2日のヴィッセル神戸戦ではキャプテンマークを左腕に巻いて先発した。
チームは3日前の試合で柏レイソルに敗れ、今季初黒星を喫したばかり。同じ試合では負傷や退場といった誤算が重なり、台所事情は苦しかった。
神戸戦は悪い流れを断ち切り、勝利がほしい試合。しかしキャプテンの喜田は負傷で不在。副キャプテンのマルコス・ジュニオールは負傷離脱中で、畠中槙之輔が出場停止。水沼はベンチスタートだった。
「重圧で押しつぶされそうだった」
松原が試合前の心境を明かした。序盤戦ながら苦境に立たされていたことは想像に難くない。でも、すぐに気持ちを切り替え、やるべきことに集中した。
「歴史あるマリノスというチームでキャプテンマークを巻く姿は自分でもまったく想像していなかった。神戸戦でそれを伝えられた時は緊張したけど、今まで自分が感じてきたことやマリノスにいる6年間を考えて、何をするべきかを自分の中でしっかり整理した」
学んだのは、チームが勝つためにプレーする重要性だ。
そのためには脇役でも、黒子でも、縁の下の力持ちでもいい。華麗なオーバーラップや正確なクロスだけがすべてではない。周りの選手を助けるフリーランニングや気遣いの心があるからこそ成せるカバーリングだって重要な仕事だろう。
マリノスのエンブレムを付けている時間は、偉大な先輩や苦楽をともにする仲間の姿を見てきた時間の長さと比例する。
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