西村拓真が見つけつつある「新しい自分」。 本当の意味で死力を尽くすことが普段着の選手は、実はそうそういない
「新しい自分になれるんじゃないかと思って加入した」
新体制発表会の席で、西村拓真はそう語っていた。
あれから4ヵ月余りが過ぎている。気がつけばリーグ戦は3分の1以上を消化し、ACLのグループステージも戦い終えた。そろそろ「新しい自分」は見えてきた頃だろう。
ひとつ大きな変化があったとすれば、トップ下という新しいポジションに適応能力を示している点だ。
きっかけは開幕直後にマルコス・ジュニオールが負傷離脱したことで、プレシーズン中から時間をかけて取り組んできたわけではない。それでもぶっつけ本番状態で公式戦に臨み、すぐさまフィットして結果を残したのだからポジティブな驚きしかない。
以降、主戦場はむしろトップ下に変わった。チーム事情でストライカーポジションや左ウイングに入る場面もあるが、最も良さを生かせるのはトップ下かもしれない。ほかでもない本人が感じている部分でもある。
「自分の特徴を生かす意味では、今はトップ下が最適なのかなと思っている。新しく挑戦した中で、新しい自分が見えてきている。いろいろな部分が出てきて、とても楽しい」
もともとストライカーだからこその得点力もさることながら、中盤で巧みにフリーとなるポジショニングに優れ、運動量や活動量もすさまじい。ヴィッセル神戸戦で記録した13.56kmはトラッキングデータ走行距離で今季1位の数字だ。最後は足がつって動けなくなるまで、本当の意味で死力を尽くす。そんな普段着の選手は、実はそうそういない。
この働きぶりにケヴィン・マスカット監督も賛辞を惜しまない。3-0で快勝した鹿島アントラーズ戦後は手放しで背番号30を褒めた。
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