過ぎてしまった事象は変えられない。 変えることができるのは未来だけで、つまりやれることは必ずある [J14節 福岡戦レビュー]
勝敗に一喜一憂せず、教訓を次へ生かす
サッカーの内容は決して悪くなかった。この日のパスワークにはリズムとテンポがあり、前への推進力もあった。特に永戸勝也や藤田譲瑠チマは縦パスに対する意識が高く、隙あらば狭いスペースでも鋭いグラウンダーパスを刺していく。
そういった部分を見れば、藤田が「前半から自分たちのチャンスシーンは少なくなかった。作りの部分は効果的なシーンもあった」と振り返ったのも頷けるだろう。ゴールこそなかったが、手応えがまったくない前半ではなかった。
ゴールチャンスとしては、24分にマルコス・ジュニオールのスルーパスに抜け出したアンデルソン・ロペスのシュートが最大の決定機だった。自陣やミドルエリアでのパフォーマンスを考えると、アタッキングエリアでの精度はやや足りなかったかもしれない。
それは湘南ベルマーレ戦、浦和レッズ戦、そしてアビスパ福岡戦と3連続先発でベストな状態ではなかったロペスのパフォーマンスによるところも大きい。あるいは組み合わせの妙もあるか。両ウイングの水沼宏太と仲川輝人、そしてトップ下にマルコスを配する布陣は、クロスに対してゴール前の駒がどうしても不足がちになる。
3列目からボランチやサイドバックが飛び込むことで枚数を担保するには、相手をしっかり押し込んでいる状態を作らなければ難しい。そういった点で、相手を完全に押し込んでコントロールする時間や回数をもっと増やす必要があったかもしれない。
結果として上回れなかったのだから何かが足りなかったのだろう。しかしパフォーマンスすべてを悲観するのは暴論で、良かった部分と足りなかった部分の見極めが重要になる。勝敗に一喜一憂せず、次の試合への教訓を得たと考えるべきだ。
かつてのマルコス・ジュニオールのように
黒星以上に痛いのは、ロペスに下される処分である。
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