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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

セットプレーで失点する理由 [J19節柏戦レビュー] (藤井雅彦) -1,545文字-

 

セットプレーの守備戦術はおおまかに分けて二つ考えられ、プロクラブのほとんどがマンツーマンとゾーンディフェンスのどちらかを採用している。ここ最近のマリノスは前者を採用し、個々が責任を持ってマークを担当する。逆に、この日対戦した柏レイソルなどは後者のソーンディフェンスを採用し、特定のマーカーは設けていない。

4-2-3-1ラフィーニャ マンツーマンでもニアポスト付近、あるいはゴールのほとんど中にフリーマンを置く配置があり、ニアのエリアをカバーする選手のことを業界では“ストーン”と呼ぶ。つまり石である。ニアサイドに来たボールを弾き返すのがその選手の役目で、多くの場合は身長の高い選手が務める。

マリノスのセットプレー守備が問題を抱えているとしたら、その点だろう。ここ数年、この位置に入るのは中村俊輔である。以前、松永成立GKコーチは「シュンがあの位置にいることで周りに指示を出せる」とメリットを明かしてくれた。リーダーとしての声がチームを救うと考えているわけだ。ただし身長が高い選手ではなく、競り合いの技術とは別に、ヘディングの打点が高いわけではない。

それでも、この日のマリノスの先発11人を並べたとき、中村はフィールドプレーヤーの中で下平匠と並んで3番目に身長の高い選手なのだ(178cm)。柏戦では、中澤佑二が鈴木大輔、栗原勇蔵が増嶋竜也と空中戦に優れる相手をマークし、下平がチーム内3番手として橋本和のマークを担当した。小林祐三や小椋祥平が出場停止で不在だったことも多少なりとも影響しているが、彼らがいたとしても即効性ある解決策にはならない。むしろ富澤清太郎の不在を嘆くべきかもしれない。

 

 

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柏3-4-2-1 それでも「ないものねだりをしてはいけない」(中澤)。大切なのはこの日のメンバーでいかにして守るか、である。1トップにラフィーニャを起用している以上、伊藤翔や藤田祥史といった180cmオーバーの選手も使えない。これは今後も抱えていく課題で、ラフィーニャのパフォーマンスを見る限り、しばらくは彼が1トップの席に座るだろう。すると伊藤や藤田はサブとなり、セットプレーの高さがどうしても不足してしまう。

柏戦での失点、そして前々節の名古屋戦の失点はニアサイド付近を狙われている。ケネディや前田遼一がいれば、もしかしたら難なくクリアしていたのかもしれないが、残念ながらいない。かといって中村より身長の高いストーン適任者もいない。だから、あとはマーカーとしての責任をまっとうするしかない。1失点目は中澤が、2失点目は下平がそれぞれ相手をフリーにしてしまった。それがすべてなのだ。

得意なはずのセットプレーからやられていることによる精神的ダメージは大きいだろう。だが、恐れるべきは、そのショックを引きずり、次の試合でも同じ過ちを繰り返すこと。もはやメンバー構成でどうにかできるような問題ではなく、これは今シーズンが終わるまで抱えていくであろう課題だ。指揮官が「集中しろ」といくら叫んだところで、最後はプレーヤー次第である。事故で終わらせるのではなく、ゴール前での責任を高めるしか対処法はない。

 

 

 

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