「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

【無料記事】 ラフィーニャ4:最大の発見・中村3.5:まるでFWだった・中澤2.5:彼クラスの選手ならば、やはりパーフェクトをもとめたい[柏戦採点&短評](藤井雅彦) 

※採点は5段階評価で0.5刻み。5が最高で0が最低。

GK 1 榎本 哲也

「2.5」 再開後は自責点なしと書いてきた。しかしこのゲームでの1失点目は判断が難しい。GKにとって死角とも呼ぶべきコースに飛んできたシュートだが、お手上げという類でもない。専門的なことについて言及できないが、どうにかして枠外へ弾き出してほしかった。

DF 24 奈良輪 雄太

「2.5」 良さを悪さの両方が見えた。攻撃ではアグレッシブに高い位置に進出してCKを獲得、あるいは神出鬼没の動きでゴール前に顔を出した。守備ではプレスに連動するタイミングが遅れてピンチを招き、中へ絞る動きにも甘さをのぞかせた。アピールできたかは微妙なところ。

DF 4 栗原 勇蔵

「3」 全体的に集中力高い守りが光った。前線のプレスに連動して強気にラインを押し上げ、鋭い出足でボールカット。欲を言えば、後半に入ってレアンドロに自由を与えすぎた。巧みに引いてボールを受ける相手ストライカーを捕まえきれず、チームは徐々に瓦解していった。

DF 22 中澤 佑二

「2.5」 彼クラスの選手ならば、やはりパーフェクトを求めたい。プレスをかわされても自陣ゴール前に立ちはだかり、危険なボールをことごとくクリアした。だが、ひとつのセットプレーでのマークミスが命取りに。1失点目を事故と表現していたら失点は永遠に減らないだろう。

DF 23 下平 匠

「2.5」 こちらは2失点目のマークミスを犯す。前半のマーク担当は橋本和だったが、後半から増嶋竜也にスイッチ。結果的にここでのミスマッチを突かれた格好だ。ゴールキックをはね返す、あるいは攻撃時のファーサイドでのヘディングはそれなりに強いが、相手をつかまえる動作には難がある。

MF 8 中町 公祐

「3」 やはり前からプレッシングをかける展開になれば良さが出る。後ろを気にすることなく前へ出ればボール奪取能力はかなり高い。その一方で、後半に入ってのガス欠は気になるところ。リードしているならばもう少しボールキープしないと体力的に90分間は厳しいか。

MF 26 三門 雄大

「3.5」 中町同様に最後は疲れた。しかし序盤から誰よりもハイペースで飛ばし、ピッチにいたるところに顔を出したことは評価すべきだ。さらに2得点目につながった縦パスを臆することなく入れる姿勢が良い。ボールロストを恐れないプレースタイルでチームに勢いをもたらした。

MF 7 兵藤 慎剛

「3」 最大の見せ場はラフィーニャへのアシストになった1点目の場面。右サイドから複数人がパス交換する間にダイアゴナルの動きでペナルティエリア内に侵入し、潰れ役を演じた。彼の真骨頂とも言えるプレーだ。ただし後半はチーム同様、少し停滞気味になってしまった。

MF 10 中村 俊輔

「3.5」 この日の主将はまるでFWだった。ラフィーニャとほぼ同じラインに並び、ハイボールを競り合い、相手最終ライン裏へのランニングを繰り返す。ボールを持つ時間、パス回数は大幅に減ったが、この動きによってラフィーニャは孤立せず、さらに齋藤や兵藤が入り込むタイミングも生まれた。

MF 11 齋藤 学

「4」 複数箇所に負傷を抱えながらも、ピッチに立てば相手を圧倒した。ゴールシーンはラフィーニャとの位置関係が絶妙で、ターンからのシュートもスムーズだった。これだけゴール前で脅威になる選手なのだから、左サイドに縛り付けておくのはもったいないと思うのだが。

FW 18 ラフィーニャ

「4」 最大の発見であり、嬉しい誤算だった。1トップとしての機能性は未知数だったが、中村が2トップ寄りのポジショニングだったことで問題なし。抜群の加速力と、重心低いフィジカルを生かしてルーズボールを拾い、さらにゴール前では落ち着いたシュートでゴールネットを揺らした。

MF 16 伊藤 翔

「3」 攻撃に厚みがあった前半に出ていれば、と思わせた。チーム全体の足が止まってしまってからの出場で、いつものようにアバウトなロングボールに身を投げ出す姿ばかりが先行した。中村や齋藤との絡み次第ではあるが、今後はラフィーニャとの2トップも見てみたい。

DF 15 ファビオ

「2.5」 ボランチの選手ではないことがあらためてわかったであろう。何より、周囲の選手がボランチとしてのファビオを理解していないことが問題で、どのタイミングでどんなパスが出てくるかがわからない。高さを増したいなら最前線に入れてパワープレーを敢行すべきだろう。

MF 25 藤本 淳吾

「-」 中盤から前の選手は後半に入って足が止まり始めていただけに、もう少し出場時間を確保できれば何かをやった可能性がある。残り数分の出番では仕事内容よりも回数が限られ、浮遊している間に試合終了のホイッスルが鳴ってしまう。起用法を考えるべき選手の一人だ。

樋口 靖洋 監督

「2」 セットプレーからの2失点に指揮官の責任はほとんどない。それよりも2点リードしている試合での采配に疑問符が付く。最初の交代カードは中村の負傷が理由で、能動的ではなかった。対して柏はマリノスの1枚目のカード以前に3枚を切り終わっていた。立場や状況の違いこそあれ、どちらが先手を打っていたかは明白である。

 

 

 

 

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