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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

今季最後の分岐点 -藤井雅彦 名古屋戦直前プレビュー-

 

名古屋グランパス戦について語る前にマリノスの現在地を確認しておこう。

順位は7位。来季のACL出場権を獲得できる3位・浦和レッズとの勝ち点差は『5』となっている。

樋口靖洋監督はシーズン半ばを過ぎた頃から「残り5試合で勝ち点差が『5』以内なら可能性がある」と語っていた。これは当時、優勝を意識しての発言だった記憶もあるのだが、いつの間にか対象は1位チームではなく3位チームになった。とはいえ、これは下方修正ではなく、今シーズンの目標は来季のACL出場権獲得なのだから、良しとしよう。まるで樋口監督が予言したかのように、5試合を残して奇しくも勝ち点差は『5』なのだから、現在順位を過度に意識する必要はない。

振り返れば第25節で浦和に敗れ、マリノスは今シーズン初めての3連敗を喫した。この時点で3位・浦和との勝ち点差は『10』まで開き、ほぼ終戦ムードが漂った。だが第26節の鹿島アントラーズ戦からの4試合を2勝2分と負けなしで乗り切り、浦和の勝ち点が伸び悩むという幸運も手伝って再び勝ち点差を詰めた。前節のベガルタ仙台との直接対決に敗れて優勝争いから脱落した感もあり、モチベーションを保つのが難しくなるかもしれない。3位キープに優位な立場にあるのは間違いないが、最近の戦いぶりを見る限り盤石とは言い難い。ひいき目ではなく、付け入る隙はある。

そこで名古屋戦を迎える。

「いずれにしても他力ではある」(樋口監督)が、浦和との勝ち点差を詰めるチャンスとなる。対戦相手も3位を争う当面のライバルであり、候補者を蹴落とすという意味もある。そのうえで浦和が不覚をとれば、勝ち点差は『2』となる。引き分けたとしても差は『3』まで縮まり、そうなれば1試合で順位が入れ替わるところまで迫る。リーグ最少失点を誇るマリノスは得失点で浦和よりも上だからである(マリノスは+8、浦和は+5)。浦和が敗れた場合は3位が柏レイソル、もしくは清水エスパルスになっている可能性もあるが、そのときは柏と直接対決が残っていることもポジティブに働く。

つまりこの一戦が分岐点、しかも今季最後の分岐点となる。

34試合戦うシーズンにはいくつかの分かれ道があり、初勝利を挙げた第8節・ヴィッセル神戸戦や選手が底力を発揮して勝利した第26節・鹿島アントラーズ戦はのちに振り返っても大きな意味を持っていた。もしここで勝てれば、それらと並んでシーズンを回顧する際にターニングポイントとして語られるであろう。いや、勝利してそうしなければいけない。

ピッチ内を語るならば、やはり相手の最前線に位置する田中マルクス闘莉王をいかに封じるかが最大のポイントとなる。彼について詳しい説明はもはや不要であろう。恵まれた体躯を生かしたパワープレーだけでなく、ゴール前ではイマジネーション溢れるプレーを見せる。CBでもそうなのだが、FW起用ではさらに余裕を持つ。それについて中澤佑二は「練習でできていることを試合でできる自信がすごい」と少し羨ましげに語る。日本人離れしたメンタリティを持つだけに、厄介な相手だ。勝つためには中澤と戦列に戻る栗原勇蔵の奮闘が欠かせない。

チーム状態はすこぶる良好だ。それほどまでに磐田戦は素晴らしい内容とゴールの数々だった。

マルキーニョス、中村俊輔、富澤清太郎、中澤佑二とセンターラインに一本の線が通り、脇を固める選手も好調を維持している。得点という結果を出した中町公祐が象徴であるように、与えられた役割だけでなく個々の良さを出せる状況ができつつある。ようやくチームとしての定型を見つけた雰囲気で、上向きにある。

唯一、気がかりなのは水曜日、木曜日と体調不良で練習を休んだ小林祐三を欠く布陣になりそうなことだが、右SBに入るであろう金井貢史は前節から出場している“レギュラー”だ。前節は「自分の良さを出す」と鼻息が荒かったのが、今節は「まずはチームが勝つこと」とガス抜きが済んだ模様。磐田戦では終盤に足をつって交代を余儀なくされただけに、名古屋戦ではフル出場に加えて大仕事をやってのけそうな予感もある。

望みをつなぐ1勝をアウェイの地で勝ち取りたい。シーズンが終わるか、それとも続けられるか、大きな分かれ目だ。

 

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