「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

この試合に先発した11人が開幕スタメンではないか [練習試合 流通経済大戦レビュー] 藤井雅彦 -1,412文字-

 

【リザルト】

対戦相手:流通経済大
日時:2月28日14時~
形式:45分×2本
結果:3-1(1-1、2-0)
得点者:1本目7分(失点)、1本目34分中町、2本目38分天野純、2本目45分伊藤

長期離脱の中村俊輔を除き、昨季とまるで変わらない11人が主力組として練習試合の1本目に出場した。水曜日の東京ヴェルディ戦では佐藤優平のトップ下をテストしたが、以降は兵藤慎剛をリンクマンとしてトップ下に据えている。右MFには東京V戦でファインゴールを決めた藤本淳吾が入り、1トップは出場時間を確保する意味合いもあって伊藤翔が起用された。

 

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4-3-2-1_2015 結論からいえば、主力組は芳しくない出来に終始した。1対1という結果以上に、ビルドアップでのミスが多く、大学生相手に試合の主導権を握ったとは言い難い。エリク・モンバエルツ監督は「連動したアクションの中でのスピードを欠いていた。相手も引いてブロックを作っていたけど、それを崩すためにもスピードが必要」と述べたが、ボール回しのテンポがまったく上がらない。とはいえ、これはいまに始まった話ではない。

この1週間はビルドアップのトレーニングに時間を割き、基本的な立ち位置などを確認していた。CBよりも後ろのGKからショートパスをつなぎ、SBからボランチを経由し、サイドMFが中間ポジションでボールを受け、1トップやトップ下の選手が相手の背後を狙う。対人形式ではないシャドートレーニングをしつこいくらいに繰り返した。

しかし、残念ながらこの日までにその成果は出ていない。大学生相手に効果的なビルドアップをできないのだから、おそらくリーグ戦が始まっても無理だ。加えてこの日の2本目に出場したラフィーニャが右足首を負傷し、途中交代。試合後は患部を固定し、松葉づえをつきながら帰った。骨に異常なくねん挫程度の負傷であることを願うが、試合直後の状態から察するに開幕戦出場は難しそうな気配が漂っている。

4-4-2_2015_2本目昨日、獲得が発表されたアデミウソンもフロンターレ戦には間に合わない公算が高く、おそらく流通経済大戦に先発した11人が開幕スタメンではないか。すると昨季と同じサッカーになり、上積みを見つけにくい。ならば守備力をベースに戦い、しぶとく勝ち点を積み上げていくしかないだろう。中村というリスタートのキッカーを失ったのは痛手だが、マリノスには藤本の左足がある。流れの中でのキーマンは兵藤、リスタートでは藤本の働きがポイントになる。

ラフィーニャの復帰、あるいはアデミウソンが合流するまでは現有戦力で我慢の戦いを続けるべきだ。始動日から6週間が経過し、残す1週間はフロンターレ対策やコンディショニング中心に過ごすことになる。

 

 

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