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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

1トップとして伊藤翔が今季リーグ戦初先発。アデミウソンはサイドMFとしての真価が問われる [1st6節浦和戦プレビュー] 藤井雅彦 -2,041文字-(無料記事)

 

試合前日、エリク・モンバエルツ監督が浦和レッズ戦に向けたプランを明かした。

「明日は二つのプランがある。まずアデミウソンが1トップに入り、トップ下には喜田、右に兵藤が入る形。これはレイソル戦や仙台戦と同じだ。それともう一つが1トップに伊藤が入って、アデミウソンを右で起用するプラン。伊藤は前でボールをキープできる。アデミウソンはスピードが特徴の選手。兵藤はサイドでしっかり守備をできる」

4-3-2-1_2015 ご丁寧にいま考えている配置を教えてくれたわけだが、今週の練習を見ているかぎりでは後者の布陣で臨むことが濃厚だ。つまり1トップとして伊藤翔が今季リーグ戦初先発を飾り、アデミウソンを右で起用。兵藤慎剛はベンチスタートになりそうだ。

ベガルタ仙台戦での終盤、ゴールがほしい場面でのオプションでアデミウソンを右MFとして起用した。しかしポジショニングが定まらず、守備がまったく機能しなかった。来日直後に見せたように自陣まで懸命にボールを追う姿勢や協調性は素晴らしいが、組織的なディフェンスはまったく別物。アデミウソンにそういった概念があるかは疑わしい。もちろん試合途中からの変更で、しかもゴールがほしい局面だったため、仙台戦での守備をノーカウントにすることもできる。

サイドMFアデミウソンの真価が問われる浦和戦になりそうだ。指揮官は「縦への突破力がある」と攻撃面への期待を口にするが、現実は守備から入らなければならないだろう。右サイドの槍になる前に、右サイドで小林祐三やファビオとともに防波堤になる必要がある。相手は攻撃時に[4-1-5]となり、4バックのサイドになる槙野智章も積極的に上がってくる。アデミウソンは宇賀神友弥を監視しつつ、槙野も警戒するタスクを担う。

正直言って、不安だ。もしかしたらアデミウソンは一生懸命に守ってくれるかもしれない。仙台戦とは見違えるような守備を見せてくれる期待もある。ただ、それは彼がすべき仕事ではない。助っ人ストライカーへの期待はオフェンスであり、もっと言えばゴールだ。攻撃の最終局面に関わるために彼ははるばる日本に来たのだろう。それなのにタッチライン際の往復だけでエネルギーを消耗してしまうのは、とてももったいない。

 

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相手が浦和でなければ、高い位置に攻め残りしている策も有効だろうが、とにかく枚数をかけてくる相手の攻撃に対してまったく戻らないのはリスキーだ。ある程度は下がって守備をしなければいけない。はたしてスタミナに不安を残すアデミウソンが、そこから長い距離を走って前線へ出て行けるのか。出て行けたとしても、ボールを受けた際にガス欠になっていないか。不安は尽きない。

浦和3-4-2-1 また、今週のトレーニングではファビオを最終ライン前方のアンカーとして置き、その前に三門雄大と喜田拓也を並べる[4-1-4-1]もテストしていた。モンバエルツ監督は浦和対策に余念がない。そして肝心のプレスのスタート地点については「浦和はショートパスをつないでくるチームだが、長いボールを使うこともできる。だから我々がどうやってプレッシャーをかけるかが大事になる。別のオプションもあるので選手がそれを選択するかもしれない」と戦略の一端を話した。

今回もまたいろいろ不確定要素満載のゲームになるが、最終的に判断を委ねられるのはピッチに立つ選手たちだ。試合経験だけでなく、浦和に勝ったという成功体験を持つ選手が、特に守備陣には多い。中澤佑二や栗原勇蔵がいれば、どんなメンバーと布陣でもある程度の試合にはなる。不安は尽きないが、心配はそれほどない。

 

【この試合のキーマン】
DF 13 小林 祐三

 右MFにアデミウソン、右ボランチにファビオとブラジリアンが前方に並ぶ。そういった配置構成の中で、いかにして守備をハンドリングするか。「アデミウソンとファビオをうまく動かして、って言われたけど、ヒョウ(兵藤)とマチ(中町)をうまく動かすのとは訳が違う」と苦笑していた。
それでも彼に課せられたタスクは、勝利に欠かせないものだ。攻守でシステムが変わる浦和に対して、いかに守備をオーガナイズするか。引くだけでもダメだし、かといって無闇にプレスに走ってもいなされるだけだ。月並みだが程よいバランスで守らなければいけない。
アデミウソン自身の問題や意識に頼る部分も大きいが、できるだけ周囲がフォローしなければいけない。小林は守備とポルトガル語の両方で、高いレベルの仕事を求められている。

 

 

 

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