「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

比嘉祐介のダイナミズム [ここだけ練習試合レポ] 11/18神奈川大戦


チームとしては低調ながら、個々が持ち味を見せる

ホームで柏に惜敗した翌日11月18日、Bチームがアウェーで大宮と対戦する予定は変更となり、マリノスタウンで神奈川大と練習試合を行った。

1本目はGKが飯倉大樹、4バックが右から天野貴史、小林祐三、富澤清太郎、比嘉祐介。ボランチが狩野健太と森谷賢太郎、右サイドハーフに松本翔、左に松本怜。トップ下に小野裕二、1トップに大黒将志という布陣。木曜に代表から戻り柏戦に途中出場した栗原と、谷口はピッチに姿を見せなかった。

対する神奈川大は関東大学リーグ1部で12チーム中11位、来季の2部降格が決まっている。前日にリーグ戦を消化しており、Bチーム以下のメンバーで臨んだ。

結果は7-0(1本目2-0、2本目5-0)。

1本目は神奈川大のビルドアップ、組織的なボールの動かし方が巧みで、なかなかボールの奪いどころを見出せず。対照的にマリノスはマイボールになっても連動した崩しが見せられず、相手守備ブロックの内側へのパスが入らない。DFラインの裏を狙うボールが多く、守備でも連動したプレスで高い位置から奪い切ることは少なかった。

28分に森谷からのパスを受けた小野がドリブルでエリア内に侵入、倒されて得たPKを自ら決めて先制。41分には大黒のシュートがポストに弾かれ、こぼれ球をエリア外で拾った狩野が豪快に叩き込む。1本目は2-0で終了し、大黒は3度のチャンスを決めきれず45分の出場でクラブハウスに引き上げた。

2本目はGKが六反勇治、4バックが右から小林祐三、日野健人(関東学院大4年)、富澤清太郎、比嘉祐介。ボランチが森谷賢太郎と佐藤祐馬(関東学院大4年)、右サイドハーフに天野貴史、左に松本翔。2トップが小野裕二と松本怜。

3分、左サイド松本翔のクロスをファーサイドに飛び込んだ天野がヘッドで押し込む。18分には左サイドに流れてパスを受けた松本怜がドリブルで抜け出し、左足の強烈なシュートを決めた。この2ゴールの起点は練習生の佐藤祐馬だった。30分には比嘉が左サイドをワンツーで抜け出し、GKとの1対1から鮮やかなチップキックのループシュートを決める。42分には小野が再び自ら得たPKを決め、終了間際には比嘉が相手陣内でのインターセプトからサイドに展開、ゴール前に入り込むとグラウンダーのクロスを押し込んで2点目のゴール。

2本目は神奈川大のビルドアップの質が低下し、個の力で上回るマリノスがゴールを重ねたが、結局90分を通し攻守に組織としての妙は見られず。しかし比嘉や小野、松本怜や天野が局面では持ち味を見せて結果を出し、個々のアピールという意味では収穫もあるゲームだった。
【Players Pick Up】

左SBでフル出場した比嘉は、1本目は鋭い読みで相手のクサビのパスを潰すシーンが多く、2本目は積極的な攻撃参加で流れの中から2ゴールを記録。特に1点目のループシュートは鮮やかで、ボールがネットに吸い込まれるより早く、得意の両腕を水平に上げるパフォーマンスが飛び出した。相変わらず細かい判断ミス・基本的な技術ミスが散見され、オーバーラップ後の帰陣が遅いのも気になるが、プレーに躍動感があり「何かやってくれそうな」雰囲気を持つ。観戦者を楽しませ期待感を抱かせるという意味で、非常にプロ向きの選手だ。

(残り 442文字/全文: 1804文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ