「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

富樫5「人生を変える一撃」・中村4「美しい軌道の先には、富樫敬真」・モンバエルツ4「あのタイミングで特別指定選手をデビューさせる思い切りの良さには感服」[東京戦採点&短評]

【採点&短評】
※5が最高で1が最低。採点は0.5刻み。

 

GK 21 飯倉 大樹「4」

アデミウソンへの高速フィードも素晴らしかったが、ハイライトは唯一のピンチとなった87分の守備。三門がコースを切り、飯倉が抜群のタイミングで寄せる。合わせ技での一本だ。

DF 13 小林 祐三「3.5」

終始安定したパフォーマンスだった。アデミウソンをシンプルに使い、自身は前線のスペースを見つけて上がっていく。87分のピンチではスペースを空ける格好となったが、展開的に仕方ないだろう。

DF 22 中澤 佑二「3.5」

前田とネイサン・バーンズを完封。ファビオとのチャレンジ&カバーの関係も良好だった。試合後は「何もしていない」と謙遜したが、相手の攻撃の芽を摘む一歩目の速さは際立っていた。

DF 5 ファビオ「3.5」

前田との攻防は見ごたえあり。ファウルになってしまう場面もあったが、相手の強度を考えれば悪くないパフォーマンスだった。中村俊輔は「ストッパーがいいね」と中澤とファビオを称えていた。

DF 23 下平 匠「3.5」

前半途中から果敢な攻撃参加。圧倒的にボールを持てる展開ではビルドアップ能力が行かされる。ライン際を走らせる縦パスに加えて、斜め前へのくさびも精度が高い。久しぶりに“らしさ”が出た。

MF 28 喜田 拓也「3」

マイボールを失ってからの切り替えの早さは特筆もの。ただしボールへのアタックがファウルになる場面もあり、今後は守備の精度を高めたい。展開力についてもさらに向上させなければいけない。

MF 6 三門 雄大「4」

飯倉の欄でも述べたように、87分の守備は快心だった。フリーになっている相手を察知し、あきらめずに追いかけた結果である。ファウルになってもおかしくない場面をクリーンに止めたことも好印象。

MF 39 アデミウソン「3.5」

攻撃のリードオフマン的な存在。困ったときはボールを預ければ自然と前へ進み、チーム全体が押し上がる。ボールを失わない安心感があるから周囲も前へ走れる。特に序盤は彼が攻撃のリズムを作った。

MF 10 中村 俊輔「4.5」

ボールを握れる展開で考えたポジショニングを見せた。そしてゴールにつながる高速クロスだろう。まるで直接FKのような美しい軌道の先には、ゴールネットではなく富樫敬真の頭があった。

 

 

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MF 11 齋藤 学「3.5」

攻撃ではFC東京の堅いブロックを崩しきれず。ただ、攻撃が中途半端に終わっても、いち早く守備に切り替えて何度もボールを奪った。警告を受けた場面もカウンターを阻止するためのやむをえないプレーだった。

FW 16 伊藤 翔「3」

今節もゴールできなかったが、悪いパフォーマンスではない。単純な競り合いでも互角に渡り合い、味方を助けていた。富樫との交代はプライド的に苦しいものがあったが、チームメイトの多くは伊藤の働きを称賛している。

FW 37 富樫 敬真「5」

これ以上ない仕事をやってのけたのだから満点でいいだろう。得意としているプレーで、中村のお膳立てがあったとはいえ、誰でもできる芸当ではない。人生を変える一撃になったかもしれない。

MF 7 兵藤 慎剛「-」

得点後に中村との交代でトップ下に入る。アディショナルタイムのみのプレーのため採点はできないが、この人がベンチに帰ってきたのは心強い。サポーターは「おかえり」の挨拶をすることができた。

監督 エリク・モンバエルツ「4」

圧倒的にボールを握っている展開とはいえ、あのタイミングで特別指定選手をデビューさせる思い切りの良さには感服だ。さらに「富樫にはゴール前での力に期待している」という言葉が現実になったのだから、まさしく采配的中である。

 

 

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