【サッカー人気1位】ゲーム形式のトレーニングで見えたリカル…

「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

特別なゲーム。展開については正直、予測できない [天皇杯2回戦(再開戦)MIOびわこ滋賀戦プレビュー] 藤井雅彦 -2,468文字-

特別なゲームがやってくる。エリク・モンバエルツ監督は長い指導歴でも今回のようなケースは「私には経験がない」と話し、出場する選手たちのほぼ全員が「こんな試合は初めて」と話した。野球のように雨天中止がないサッカーにおいて、試合途中で中止になるのはレアケースだ。雷による一時中断などは稀にあるが、あくまで今回の理由は豪雨、つまり雨でしかない。

4-3-2-1_2015 再開試合はニッパツ三ツ沢球技場から日産スタジアムに場所を移して行われる。本来ならば両会場とも芝生の養生期間で使用が難しかった。それでもさまざまな経緯を鑑みて着地点は日産スタジアムとなったという。しかしながらウォーミングアップでピッチが使えない。芝生へのダメージを考慮した結果で、選手がピッチ上に姿を現すのは試合開始前のわずか数分のみとなる。簡単なボール回しなどで終わってしまうだろう。基本的にはウォーミングアップルームなどで体を温め、テンションを上げるしかない。負傷へのリスクなど心配要素もあるが、ルールはルール。それも含めて“特別なゲーム”である。

試合は73分16秒から再開する。MIOびわこ滋賀のゴールキックからホイッスルが鳴る模様で、今週の練習では相手のゴールキックのシチュエーションを設定し、そのボールをはね返すアクションから紅白戦をスタートしていた。ゲーム時間は20分弱、延長戦を含めても通常の試合の前半45分程度だろう。ワンプレーごとの重要度が増し、ゴールキック一つの勝敗が試合全体に大きな影響を及ぼすかもしれない。

メンバーについては、原則として中断時にピッチに立っていた11人が再開時も名を連ねるが、負傷者がいた場合はベンチ入りしていた選手から補充できる。ただし、その場合にさらにベンチ入り選手を補充することはできない。一方でベンチ入り選手に負傷者がいた場合のみ、ベンチ外からも選手を補充できるという特殊なルールだ。

 

 

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4-3-2-1_2015 あらためて振り返ると、この試合の先発はGK飯倉大樹、DF中澤佑二、ファビオ、小林祐三、下平匠、MF中町公祐、喜田拓也、アデミウソン、天野純、三門雄太、FW伊藤翔という11人だった。立ち上がりに失点したマリノスは後半から齋藤学と仲川輝人を投入し、アデミウソンのPKで追いついた。交代したのは前半終了間際に負傷した中町といまひとつ持ち味を発揮できなかった天野純であった。そのため再開試合の交代枠は残り1枚。ちなみに対戦相手のMIOびわこ滋賀も残り1枚の交代カードを残している。

話を現在に戻すと、本来ならピッチに立つはずの11人の中に負傷者がいる。右足首打撲でベガルタ仙台戦を欠場した齋藤は今週に入っても別メニュー調整を続けており、試合に出場できない。また、その仙台戦で決勝ゴールをマークした小林も右ひざに痛みがあるため明日の試合は出場しない。代わりにサブから昇格するのは藤本淳吾と奈良輪雄太だ。藤本はトップ下に入り、アデミウソンと仲川が両サイドを担当。奈良輪はそのまま右SBのポジションに入る。

展開については正直、予測できない部分が多い。まずはカテゴリーが下の相手がどういった考え方で試合に臨むのか。力関係だけならばマリノスが圧倒的優位で、中止した試合のように豪雨でなければ本来、実力差は明確に存在する。したがって長い時間戦うのは得策ではないという考え方が一つ。その場合、残り20分弱で決着をつけるようなアクションに出てくるかもしれない。もう一つは延長戦を含めた約45分間を守り切り、PKに持ち込むという戦略だ。PKになれば技術差やフィジカル差は限りなくゼロに等しい。45分間耐え抜けばチャンスが生まれる、という発想である。

マリノスとしてはPK戦だけは避けたい。理想は20分弱で、悪くても延長戦で仕留めなければいけない。その一方でリスクを冒すのは避けたい。仮に前回のように開始早々に失点すれば、相手は間違いなくゴール前を固めてくる。残り時間の少なさがプレッシャーとなり、苦しい戦いを余儀なくされる。だからこの試合で焦りは禁物だ。残り時間で決着をつけられずとも、焦れることなく延長戦の前後半30分を戦い、そこで1点以上のリードを奪えばいい。

個人的な見解では、残り20分弱は何も起きずに終わる展開をイメージいている。ゴールを狙いつつも、失点だけは避けたい。両チームともにそんな姿勢で牽制球を投げ合うのではないか。だからこそピッチに立っている11人が試合の流れを肌で感じ、何を目指すべきかを明確にする必要がある。マリノスの混乱は、ジャイアントキリングのきっかけになりかねない。いかにして勝つか、ではなく、とにかく勝つことが目的のゲームだ。

 

【この試合のキーマン】
FW 19 仲川 輝人

先発という表現は正確ではないが、途中出場しているため明日のスタート時にピッチにいることは確定している。中断する前のゲーム展開を思い出すと、ビハインドの状況で投入された仲川輝人が相手最終ラインを攻略し、PKをゲット。それをアデミウソンが冷静に決めて1-1に追いついた。
この活躍をきっかけに仲川はリーグ戦でベンチ入りの切符を手にしたわけだが、以降は思うように結果を残せていない。対戦相手のレベルや状況が違い、出場時間も長くないため一概には言えない。ただ、そろそろ結果がほしいのは間違いない。本人にとってはチャンスの再開試合となる。
今週の練習を見るかぎり、トップ下に入る藤本淳吾や左MFアデミウソンとの相性は悪くない。持ち前のスピードを生かして相手の背後を突けば、効果的なボールが配給されるはずだ。あとは仲川自身が決めるか、否か。プロ初ゴールに期待したい。

 

 

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