「あれでプロ契約をゲットしたんじゃない?」 ・・・富樫敬真の来季加入内定を決めた「力と運」(藤居雅彦) -2,210文字-
横浜F・マリノスは28日、関東学院大学サッカー部所属の富樫敬真(22)が来季から加入内定したことを発表した。富樫は8月に特別指定選手として登録され、ここまでリーグ戦3試合に出場して1得点を挙げている。9月19日の第11節・FC東京戦では決勝ゴールを決め、1-0の勝利に大きく貢献した。
そのFC東京戦のレビューにて、筆者は「富樫はまだ一介の大学生に過ぎない」と記したが、これで彼は正真正銘プロの仲間入りを果たすことが決まった。マリノスのジュニアユースに所属していたが、ユースに昇格できず、さらに大学を経由してプロ入りする。近年はユースから大学を経由してトリコロールに帰還を果たすケースが増えているが、ジュニアユースを卒業して7年間離れていた例は珍しい。
今回の決定について下條佳明チーム統括本部長は以下のようにコメントしている。
「マメにポジショニングを取れる。つまり何度も動き直せる。それが彼のセールスポイント。練習を見ていてもシュートを打つ思い切りがいいし、FWらしい雰囲気がある。(富樫)敬真は短い時間でも存在感を出しているので、あとは継続的に続けてほしい」
加入内定を大きく手繰り寄せたのが、前述したFC東京戦でのゴールだ。試合終了間際、左サイドにいた中村俊輔の正確無比のクロスを、ジャンプ一番ヘディングで合わせてゴールネットを揺らした。その選手はプロとしてサラリーをもらっている誰でもなく、特別指定選手としてチームに帯同している大学生だった。下條本部長はそのシーンを振り返り、富樫のストロングポインが凝縮されていたと解説を始めた。
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