【サッカー人気5位】2位・名古屋相手に被シュートゼロの“完…

「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

3ヵ月以上も黒星なしのまま、2位をかけた鹿島戦 [2nd16節鹿島戦プレビュー] 藤井雅彦

試合前日、番記者たちによる囲み取材を終えたエリク・モンバエルツ監督は自ら足を止め、振り返って口を開いた。

「2ndステージの2位を懸けた試合ができるのは素晴らしいことで、それはとても喜ばしいこと。だから明日は良いゲームになると思う。お互いのチームがそれぞれの良さを発揮することが大事だ」

4-3-2-1_2015 いまのチーム状態に自信を持っていることがよくわかる、そんな口調と表情であった。マリノスは直近10試合の戦績が8勝2分で、7月29日の2ndステージ第5節・清水エスパルス戦で敗れて以降、一度も負けていない。実に3ヵ月以上も黒星がないのは立派なことで、最後に負けたのが降格チームというのはJリーグの難しさを象徴している。

そして清水戦以降、マリノスは一度も複数失点を喫していない。負けなしの10試合はわずかに5失点で、完封試合が5試合もある。しかも10試合で20ゴール挙げているのだから、1試合平均2得点は以前では考えられないゴール数だ。その間の得点ランキングは4ゴールを挙げている齋藤学がトップで、アデミウソンと伊藤翔、そしてファビオが3ゴールで並んでいる。それに続くのが中村俊輔と三門雄大の2ゴールとなっている。これだけを見ても特定のゴールゲッターに依存していないことがわかる。

5日に発表された日本代表メンバーにも、マリノスからは一人も選ばれなかった。昨年のブラジルW杯メンバーに齋藤が選出されて以降、マリノスの選手には誰一人として声がかかっていない。これだけ長い時間、日本代表から遠ざかった記憶はなく、ちょっと不思議なくらいである。年齢や身長といった自力ではどうするころもできない要素が理由なのかもしれない…。

話を戻して、明日の鹿島アントラーズ戦は「ビッグゲームである」(モンバエルツ監督)。鹿島は先週末に行われたナビスコカップ決勝でガンバ大阪を下してタイトルを獲得。2ndステージはマリノスより上の2位につけており、首位のサンフレッチェ広島を勝ち点3差で追いかけている。ちなみに広島と勝ち点6差のマリノスにも優勝の可能性はわずかながら残されているが、より現実的なのはもちろん鹿島だ。したがってモチベーションとテンションがとても高い相手といえる。

 

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鹿島4-4-2 試合展開は、少なくとも前節の川崎フロンターレ戦のように自陣に閉じ込められることはないだろう。ある程度はボールを持つ時間があり、それは相手も同じだと想定される。指揮官の見立てと理想は「鹿島は我々にプレスをかけてくると思う。そのための準備をしてきた。我々としては良い守備をして、プレスに来てもしっかりとしたビルドアップから攻撃したい」というもの。鹿島のプレッシャーをかいくぐり、前方向にボールを進められるかどうかが最初の分岐点となりそうだ。

そこで相手の勢いに屈した場合、かなり苦しい展開が予想される。それならば最初から割り切って無理にポゼッションしない一手も有効だろう。鹿島も戦い方のバリエーションが豊富なチームで、もしかしたら互いにロングボールが増えるかもしれない。そのときには前線の選手の頑張りが鍵を握り、マリノスは伊藤のパフォーマンス次第となる。彼が体を張ってボールキープできなければアデミウソンや齋藤の個の力も生きてこない。

ボールをつなぐ戦いを挑むのであればダブルボランチの出来が重要だ。三門と熊谷アンドリューがどれだけ前にボールを出し、あるいは運べるか。トップ下の中村が下がってビルドアップに参加せざるをえない展開は状況の悪さを物語っており、そうなるとロングボールを蹴っても前線で孤立した伊藤が苦しくなる。

相手がどのようなスタンスで戦ってくるか。その出方次第でマリノスのプレースタイルも若干の修正を迫られる。試合展開や状況、機微を見極めたパフォーマンスが肝要で、ハイレベルなクオリティを要求される。そんな一戦を勝てれば、ここまでに積み上げてきた自信はさらに大きなものとなるだろう。

 

 

【この試合のキーマン】
MF 14 熊谷 アンドリュー

 リーグ戦での先発は今季二度目となる。その理由が後輩の喜田拓也の負傷離脱というのは複雑な心境だろう。さらにエリク・モンバエルツ監督に「違うクオリティを出しながら、喜田がやっていたことをやってほしい」と言われてしまうのだから、期するものがあるだろう。
当たり前の話だが、熊谷アンドリューと喜田はまったく性質の異なる選手だ。危機察知能力や守備への意識という点では喜田のほうが上かもしれないが、能動的にボールを動かすスキルは熊谷が勝っている。選手の好みはどの監督にもあることで、序列が下だからといってポテンシャルが低いわけではない。
現在、中盤の底では三門雄大と喜田拓也が絶対的な地位を築いており、負傷明けの中町公祐も復帰すればレギュラー候補の選手だ。熊谷の立ち位置は彼らに次ぐ4~5番手あたりだろう。兵藤慎剛にアクシデントがなければ、鹿島戦の先発はなかったかもしれない。
でも現実として明日のピッチに立つのは熊谷で、プレーするのは彼だ。このチャンスを生かせなければ、明るい未来は拓けない。文字通りの奮闘を期待したい。

 

 

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