「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

モンバエルツ監督の進退は、明日何らかの形で明らかにされるだろう [2nd17節松本戦プレビュー] 藤井雅彦

ラストウィークは選手の出入りが激しい1週間だった。木曜日は藤本淳吾が体調不良で、兵藤慎剛が左太もも前肉離れの疑いで練習を欠席し、金曜日は三門雄大と小林祐三が体調不良のため不在、そしてアデミウソンは左ひざの痛みで練習を途中で切り上げた。さらに試合前日の土曜日にはファビオが左ひざ痛を訴えた。

4-3-2-1_2015 同じタイミングでこれだけ多くの離脱者が出るのは珍しいことだが、とりあえず名前を挙げた全員が明日の試合に間に合う見込みだ。それに加えて負傷離脱していた中町公祐も全体練習に復帰しており、明日の試合では途中出場できるだろう。ラフィーニャと喜田拓也を除き、主力選手のほとんどが登録18人に名を連ねることが予想される。

ただし試合に向けて最も鼻息が荒いのは、おそらくチームの指揮を執るエリク・モンバエルツ監督である。

「最終節だからといって何かを変えることはない。自分たちのリーグ戦を締めくくるために臨む。私にとって目標を持つことは難しいことではない。常に高いパフォーマンスを求めているし、選手もそれを共有してもらいたい。ハイレベルというのは高いパフォーマンスを続けるという意味。まだバカンスにはなっていない。」

 前節・鹿島アントラーズ戦での敗戦と天皇杯4回戦・ヴィッセル神戸戦に敗れたことでタイトル獲得の可能性こそ潰えたが、プロとしてのプライドを持って公式戦での勝利を目指す。そして松本戦はリーグ戦34試合目にあたり、今シーズンの総決算となるパフォーマンスを見せる。これらがマリノスに課せられた使命である。

 

 

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松本3-4-2-1 そして、この時期は当然のことながら来季に向けて人事の話題も出てくる。今日21日にはいくつかの媒体で来季の監督人事についての報道があった。他チームでは契約非更新選手のリリースが出され、あるいは今季限りで引退を表明する選手もいる。朝晩冷え込む11月下旬は、サッカー界にとって別れの季節であり、来季に向けたスタートのタイミングでもある。

エリク・モンバエルツ監督の進退については、明日の松本山雅戦が終わってから何らかの形で明らかにされるだろう。嘉悦朗社長は「最終戦が終わってから」と明言を避けており、あくまで松本戦までは今季の体制で臨む話だ。これまで監督交代に関する情報は一切出ておらず、業界内でも来季も指揮を執ることが既定路線となっている。したがって周囲が驚くような結末にはならないだろう。

 
【この試合のキーマン】
FW 39 アデミウソン

 王国からやってきた万能アタッカーにとって、トリコロールのユニフォームを着てプレーする最後のゲームになるかもしれない。期限付き移籍の期間は来年1月1日までで、マリノスはすでに天皇杯敗退しているため、明日が最後の公式戦となる。
試合前日は先週痛めた左ひざが本調子ではないため別メニュー調整だったが、明日行われる松本山雅との最終節には先発できる見込み。オフェンスポジションならどこでもこなせるセンスがあり、チームに足りないキープ力と単独での打開能力を有している。彼がいなければ現在順位よりも下にいたのは、おそらく間違いない。
来季、アデミウソンがどのチームでプレーしているかはわからない。保有権を持つサンパウロに戻るか、はたまたシティ・フットボール・グループのネットワークを利用して欧州へ旅立つのか。先行きが不透明だからこそ、その雄姿を目に焼き付けておく必要がある。

 

 

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