「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

2年連続フルタイム出場、フェアプレー個人賞受賞の決め手は中澤佑二の人間的な変化 (藤井雅彦)

 

8日、Jリーグは横浜F・マリノスの中澤佑二がフェアプレー個人賞を受賞したことを発表した。マリノスはチームとしても反則ポイントの少ないチームとしても該当しており、中澤はその象徴といっても過言ではない。チームは3度目の受賞となるが、中澤にとってはうれしい初受賞となった。

これまでベストイレブンに6度選ばれ、2004年には最高の勲章であるリーグMVPも受賞した。さらにさかのぼれば1999年に新人王を獲得してサクセスストーリーをスタートさせ、W杯には2006年ドイツ大会と2010年南アフリカ大会の2度に出場した。日本サッカー史に名を残すDFであることに疑いの余地はない。それでも縁がなかった個人タイトルがあるとすれば、それがフェアプレー個人賞だろう。

昨年、中澤は自身初のシーズンフルタイム出場を達成した。当時36歳という年齢で34試合3060分を戦い抜いた。これまで34試合出場はあったが、そのシーズンは1試合だけ途中交代しているためフルタイム出場には該当せず。あくまでチームの優勝を目指して戦うシーズンの中で、中澤が個人レベルで設定する唯一の目標が『フルタイム出場』だった。

日々の努力の甲斐あって2014年に悲願を成就させた。しかし、向上心溢れる野心家は目標が尽きない。シーズン終了後、1枚だけ受けた警告が気になって仕方がなかった。フェアプレー個人賞に手が届かなかった3060分プレーしたCBが警告1枚というだけでものすごいことだが、さらに上を目指せることがわかった。次なる目標は「警告ゼロでのフルタイム出場」に決まった。

こうして迎えた2015年、背番号22は 開幕から守備の柱として試合出場を重ねていく。エリク・モンバエルツ監督が就任してからも信頼を勝ち取るために練習から努力を怠らなかった。求められるス タイルに適応するために日々精進し、その様子を見た指揮官は「ボンバー(中澤)は真のプロフットボーラーだ」と賛辞を惜しまない。自己鍛錬だけでなく新た なチャレンジを続ける。こうして試合出場を続けてきた。

実際に警告ゼロを目指すためには、まずクリーンなディフェンスが欠かせない。

 

 

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